研究課題/領域番号 |
21K07608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 (2022-2023) 東京女子医科大学 (2021) |
研究代表者 |
寅松 千枝 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主幹研究員 (90421825)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 粒子線治療 / PET / 核医学 / 動態解析 / バイオマーカ / 洗い出し / MRI / 生物学的洗い出し / Theranostics / autoactivation / in beam PET / washout effect / particle therapy |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、粒子線と患者体内組織との核破砕反応により発生するポジトロン放出核種に着目し、治療ビームを放射性薬剤として診断に利用するという世界初の画期的な方法の実現に挑戦する。治療その場で腫瘍内部の変化を詳細に観察し、その情報に基づいて治療効果や予後を判定・予測・評価することで最適な治療を先手を打って選ぶ「見ながら治療(Theranostics)」という未来の医療の実現に向けて、小動物を用いた基礎実験を行う。
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研究成果の概要 |
粒子線治療時に、治療ビームの原子核破砕反応により体内で発生する生成陽電子放出核種は、主に血流によって代謝されるため、その洗い出し速度は腫瘍の血行動態を示していると考えられる。放射線治療における腫瘍組織の反応は、血液灌流や酸素状態・血行動態の変化として反映されるため、洗い出し速度自体が腫瘍血行動態のバイオマーカとなるという仮説を立て動物実験による実証を行った。腫瘍ラットモデルに対する重粒子線照射実験を行った結果、腫瘍内の血管動態に応じて、生物学的洗い出し速度の分布が捉えられることが分かった。重粒子線治療のPETモニタリングにより、腫瘍の病理状態や治療効果の判定が可能であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線治療における腫瘍組織の反応は、血液灌流や酸素状態つまり、血行動態の変化として反映されるため、治療効果の判定にはMRIやCTによる血管造影や腫瘍内の血行動態の診断が行われる 。一方、PETは粒子線治療の飛程検証法として注目されてきた。粒子線が引き起こす原子核破砕反応により、体内で発生する陽電子放出核種を可視化する原理である。 本研究成果により、生成陽電子放出核種の代謝速度は腫瘍の血行動態を示していることが示された。飛程検証のPET撮像により副次的に腫瘍血行状態も分かるようになれば、治療期間中の腫瘍病理状態をその場で検査することができ、造影剤などを用いる検査を省略できるようになるであろう。
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