研究課題/領域番号 |
21K07614
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
趙 慶利 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (90313593)
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研究分担者 |
小川 良平 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60334736)
崔 正国 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (90572115)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 温熱 / 細胞死 / 放射線 / ROS |
研究開始時の研究の概要 |
放射線腫瘍学においてHIF-1を中心とする低酸素バイオロジーの重要性は顕著である。これまで、私たちはニトロキシドとハイパーサーミア併用により、細胞死を著しく増感することを確認し、さらに、その細胞死がオートファジー細胞死であることも見出した(Zhao, Apoptosis 2010)。また、そのオートファジー細胞死の誘導に、TP53INP1遺伝子 が関係することも示した(Zhao, SfRBM-2019)。本研究計画では臨床治療への応用のための検討を重視したい。すなわち、臨床治療近い実験方法で、細胞及び組織レベルの増感効果の検討を行い、それと同時にメカニズムの解明についての検討も実施する。
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研究実績の概要 |
本研究では細胞内酸化ストレス関連のMito-TEMPOを使って、単独およびマイルドハイパーサーミア42℃との併用により細胞死と細胞内活性酸素種(ROS)およびオートファジーを検討した。実験については、ヒト子宮頚癌由来のHeLa細胞を利用した。細胞死の形態観察はGiemsa染色で、細胞増殖毒性評価はCell Counting Kit-8およびコロニー形成法で、核の形態観察はDAPI蛍光染色で、アポトーシスはAnnexin V-FITC/PI染色でフローサイトメトリーおよび蛍光顕微鏡による検討をした。アポトーシスはBax, Bid, Bcl-2, JNK, p-38, Caspase-3, HSP70など、オートファジーはLC3, Atg5, P62などたんぱく質発現をウェスタンブロッティング方法で検討した。細胞内活性酸素種(ROS)の検出にはDihydroethidine (DHE)をそれぞれ利用してフローサイトメトリーおよび蛍光顕微鏡で検討した。ミトコンドリアの膜電位については、Tetramethyl rhodamine methyl ester(TMRM)色素を利用してフローサイトメトリーおよび蛍光顕微鏡で検討した。Mito-TEMPOと42℃併用によるミトコンドリア膜電位は低下することを認められた。研究結果について、HeLa細胞においてMito-TEMPOとマイルドハイパーサーミア42℃併用によるアポトーシスの顕著な増感効果を示した、その増感機構について、細胞内オートファジーおよび活性酸素との関連することを認められた。このMito-TEMPOとマイルドハイパーサーミア併用によるアポトーシスの顕著な増感効果は癌の治療に貢献することができると考えられる。
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