研究課題/領域番号 |
21K07619
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
兼田 加珠子 (中島加珠子) 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (00533209)
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研究分担者 |
白神 宜史 大阪大学, 放射線科学基盤機構, 特任准教授(常勤) (00560400)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アルファ線 / 核医学治療 / アミノ酸トランスポーター / がん / アスタチン211 / LAT1 / At-211 / がん治療 / トランスポーター / 低侵襲 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はがん細胞型アミノ酸トランスポーターであるLAT1(L-type amino acid transporter 1)を標的として、がん特異的なミサイル療法の開発の糸口を得た。標的であるLAT1は必須アミノ酸を含む大型中性アミノ酸を輸送するアミノ酸輸送体であり、がん種を問わず高発現が予後不良因子となる。本研究では短寿命α線放出核種であるアスタチン211(At-211, 半減期7.2時間)をLAT1の広い基質選択性を利用してLAT1高親和性化合物に標識する事により、体を切らずに短時間でのがん治療が可能とする「切らない日帰りがん治療薬」の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
申請者はがん細胞型アミノ酸トランスポーターであるLAT1(L-type amino acid transporter 1)を標的として、がん特異的なミサイル療法の開発の糸口を得た。 標的であるLAT1は必須アミノ酸を含む大型中性アミノ酸を輸送するアミノ酸輸送体であり、がん種を問わず高発現が予後不良因子となる。本研究では短寿命α線 放出核種であるアスタチン211(211At, 半減期7.2時間)をLAT1の広い基質選択性を利用してLAT1高親和性化合物に標識する事により、体を切らずに短時間でのがん治療が可能とする「切らない日帰りがん治療薬」の開発を目指す。 令和5年度は標識化合物を用いた、抗腫瘍効果と副作用の確認の再現性を確認した。核医学治療において、最も問題となるのは、内部被曝による遷延的な造血障害である。標識化合物投与動物において、継時的採血による血液成分の変動の記録と、対照群に比べた造血への影響を確認したところ、投与翌日には投与群と対照群の間に大きな差は認められなかったが、投与後5日で白血球に有意な減少が認められた。しかしながら、投与後14日では有意差は消失し、投与後28日で元のレベルに戻り、対照群と同じレベルに戻ったことが確認された。 さらに最大効果及び副作用の少ない投与スケジュールの検討を行った。標識薬の投与後一週間は体重減少や血液障害が認められるため、体重が戻ったタイミングでの2回目の投与を実施した。その結果、低線量での反復投与は高線量の単回投与に相当し、且つ副作用が少ないことが確認された。 研究期間全体を通し、アスタチン211標識LAT1高親和性化合物が複数のがん種において、抗腫瘍効果を示すことが確認された。単回投与でも治療効果は確認されたが、低線量の反復投与により高線量の単回投与と同等の結果が得られたことから、より安全な治療薬としての可能性が示唆された。
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