研究課題/領域番号 |
21K07625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
茂庭 仁人 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (50749786)
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研究分担者 |
丹野 雅也 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00398322)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | acute kidney injury / inflammation / hydration / forced hydratiom / 造影剤腎症 / レニン―アンジオテンシン系 / ネクロプトーシス / オートファジー / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病(CKD)は造影剤腎症の最大の危険因子である。レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬はCKDに対する保護効果が確立しているが、造影剤腎症におけるRASの役割は不明な点も多い。近年「ACE2/Ang-(1-7)/Mas受容体(R)経路」や「Alamandine/MrgD経路」という新規RASが注目されている。本研究では、造影剤腎症モデルにおけるRAS、オートファジー、ネクロプトーシスの評価を行い、RASペプチドの造影剤腎症に対する保護効果を検証し、その機序におけるオートファジー、ネクロプトーシスの関与を明らかにする。
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研究成果の概要 |
生理食塩水によるhydrationおよび利尿薬と生理食塩水による強制hydrationでは、ネクロプトーシスを抑制し造影剤腎症を予防することが示された。hydrationは糸球体上皮細胞の障害を亢進することが示され、強制hydrationはこの作用を軽減することが示された。炎症関連蛋白がhydrationおよび強制hydrationのいずれも亢進を認め、両者による造影剤腎症予防効果が限定的な理由の一つと推察される。当初、RASペプチドと受容体について解析を行う予定だったが、抗体が上手く作用しなかったこと、糸球体上皮細胞障害と炎症関連蛋白が予想外の結果を示したことから、研究計画を一部変更した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性腎臓病(CKD)では心血管イベントの発症が多いが、CKDは造影剤腎症(CIN)の最大のリスク因子であり、冠動脈造影などがためらわれることが少なくない。本研究では、慢性腎臓病モデルを用いて、生理食塩水によるhydration、利尿薬と生理食塩水併用による強制hydrationの造影剤腎症予防効果の機序を解明した。尿細管障害の指標に差はなく、hydrationにより糸球体上皮細胞障害が亢進し、強制hydrationによりこの作用が抑制されたこと、hydrationおよび強制hydrationで炎症関連蛋白が亢進したことは、新規知見であり今後の造影剤腎症予防・治療法確立の端緒となる可能性がある。
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