研究課題/領域番号 |
21K07631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
谷口 純一 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60818714)
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研究分担者 |
山門 亨一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20263022)
高木 治行 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30378377)
平田 豊 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10441247)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | siRNA / リピオドール / ナノ粒子 / 肝癌 / 肝動脈塞栓術 / 肝細胞癌 / ラット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の最終目標は、肝動脈塞栓術後の再発ガン細胞における悪性形質獲得に関与する遺伝子を制御するsiRNAを、ナノ粒子化したリピオドールを用いて標的病変へと送達することで、肝動脈塞栓術の治療成績向上を目指すことである。 我々が立案した仮説を基に、ガンの悪性形質獲得に関与する遺伝子を標的とするsiRNAとリピオドールを組み合わせた新たなsiRNA送達システムを構築する。そして、肝動脈塞栓術の際の本システムの有用性を、in vitro及びラット肝癌モデルを用いたin vivo実験により検証し、新規治療戦略の開発に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究の最終目的は、肝動脈塞栓術の際に日常的に用いられている油性造影剤・リピオドールをsiRNA送達のためのドラッグデリバリーシステムとして応用し、ガン悪性形質獲得に関与する遺伝子を制御する新規治療の開発基盤を構築することである。 特殊な膜や界面活性剤を用いてナノサイズのwater-in-oil-in-water(W/O/W)型エマルジョンを作成すれば、ガン細胞内に効率的にsiRNA封入リピオドールを取り込ませることが可能となり、標的遺伝子を効果的に制御できるのではないかという着想に至った。 従来、肝動脈塞栓療法の治療効果を高めるために、油性造影剤・リピオドールと抗癌剤のW/O型エマルジョンが用いられてきた。 一方本研究では、より特異性の高いsiRNAを用いる①。 siRNAは通常、血液中で速やかに分解される。 そこで本研究では、siRNAをリピオドール内に封入する②。さらにこのsiRNA封入リピオドールは、特殊な膜や界面活性剤を用いてナノサイズのwater-in-oil-in-water(W/O/W)型へと調製することで、ガン細胞へのsiRNA導入効率向上を目指す③。これらの3点が、本研究の創造性である。 2022年度も、蛍光および発光遺伝子発現プラスミドとリピオドールのエマルジョンの腫瘍細胞内取り込みについて、in vitroおよびin vivoでの検討を行った。 リピオドールにコレステロールや各種リン脂質を添加して遺伝子導入効率の変化を検証したが、優位な遺伝子導入効率の改善は得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
蛍光および発光遺伝子発現プラスミドとリピオドールのエマルジョンの腫瘍細胞内取り込みについて検討を行ったが、腫瘍細胞内への取り込みははっきりと確認できなかった。リピオドールの細胞内取り込み効率、またはプラスミドの細胞質内移行効率が予想以上に低いためと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
リピオドールの修飾のみでは、遺伝子導入効率の顕著な向上は認められなかったため、今後は核酸のコレステロール修飾や、物理的な手法(エレクトロポレーションやソノポレーション)も併用して、遺伝子導入効率の改善を目指す。
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