研究課題/領域番号 |
21K07637
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
阿保 大介 北海道大学, 大学病院, 准教授 (30399844)
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研究分担者 |
曽山 武士 北海道大学, 大学病院, 助教 (00794059)
森田 亮 北海道大学, 医学研究院, 助教 (30872626)
神山 俊哉 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80322816)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 門脈塞栓術 / 4D-flow MRI / Interventional radiology / 画像下治療 / 門脈体循環短絡路 / 部分脾動脈塞栓術 / 4D Flow-MRI / 先制IVR |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓にがん等の病期を持つ患者さんに対し、根治的な治療を行うために広範囲な肝臓の外科的切除が行われていますが、切除できる肝臓の量には限界があり、それを越えてしまうと命に関わります。そこで、この限界量(残る予定の肝臓の容積)を増やすために行われるのが、切除予定の肝臓に血液を送り込む門脈を流れを人工的に遮断する門脈塞栓術という処置です。本研究では3次元MRI画像に時間軸を加えた4次元MRI画像の解析方法を用いて、この門脈塞栓術によって、残る予定の肝臓の量が大きくなるのか、どの程度大きくなるのかを事前に予測する方法を確立することと、より短期間で効果的に大きくする方法の開発を目指しています。
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研究実績の概要 |
今年度も昨年度に引き続いて、経皮的門脈塞栓術を含めた門脈系IVR(カテーテル治療/画像下治療)に対する4D-flowMRIを用いた門脈系の血流評価に関する臨床研究プロトコルに則って、門脈塞栓術を含めた門脈系IVR症例の集積を継続的に実施した。 昨年度には、造影剤を使用せずに非造影で評価可能な4D-flow MRI撮像法として、より短時間で撮像できること、より高い画質が得られること、より高い血流評価の一致率が得られることを見出した撮像方法/パラメーターを見出すこと(撮像方法の最適化)ができたため、この成果については現在論文発表の準備中である。これらの撮像方法/パラメーターを用いて撮像を行い、今年度も症例の蓄積を継続した。この撮像方法の最適化に加えて、非造影での4D-flow MRIにより、数日単位での比較的短い間隔で、複数回の検査を行ったとしても、患者へ造影剤投与を行わないため、患者の身体的負担や医療コスト(静脈ルート、MRI用造影剤等)の低減を行うことができた。 無水エタノールを用いた当院での標準的経皮的門脈塞栓術では、4D-flow MRIの画質低下(アーチファクト)の原因となる金属コイルは原則併用していない。経皮的門脈塞栓術によって門脈血流が消失した症例における4D-flow MRIの視覚的・定性的評価では、塞栓葉の門脈血流は検出されない一方、非塞栓葉の門脈血流は検出可能であり、経皮的門脈塞栓術における非侵襲的血流評価法として有用であることが確認できた。さらに門脈血流量やwall sheer stress (WSS)等の定量値の評価を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
進捗が遅れた最大の理由として、門脈系の4D-flow MRIの撮像方法についての報告が乏しく、探索的に撮像プロトコールを確立していたことが大きい。
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今後の研究の推進方策 |
無水エタノールを用いた当院での標準的経皮的門脈塞栓術におけるIVR前後の門脈血流評価を目的とした、非造影での4D-flow MRIの撮像方法は一定の確立ができたと判断しており、現在は、門脈血流量やwall sheer stress (WSS)等の定量値について評価者間の一致率なども検討しはじめている。これらの検討結果を下に、先制IVR開発にむけたデータ収集を実施する予定である。
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