研究課題/領域番号 |
21K07644
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
西山 祐一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (80730598)
|
研究分担者 |
森田 明典 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90334234)
金井 昭教 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任准教授 (60549567)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | バナデート / p53 / 血管内皮 / 遅発性腸管障害 / 炎症 / オルトバナジン酸ナトリウム / 放射線骨髄障害 / 血管内皮損傷 / 放射線腸管障害 / 5-クロロ-8-キノリノール / 遅発性放射線腸管障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,p53阻害剤であるオルトバナジン酸ナトリウム(バナデート)が遅発性放射線腸管障害を抑制する機序について,p53活性化作用を有する5-クロロ-8-キノリノール(5CHQ)と比較しながら解明する。種々の組織特異的p53欠失マウスおよび担がんマウスを用い,遅発性腸管障害及び急性骨髄障害に対するバナデートのp53依存的あるいは非依存的な抑制機序を探る。これにより,放射線腸管障害を防ぐ最適なp53制御方法の解明,さらには,新規放射線感受性修飾因子の発見に伴う新規放射線防護剤の開発に資することができると期待される。
|
研究成果の概要 |
バナデートの放射線骨髄障害に対するp53非依存的防護効果の機序を探るため、全身照射を行ったTrp53ノックアウトマウスの骨髄および腎における遺伝子発現の網羅的な解析を行った。バナデート投与は照射後の炎症関連遺伝子の発現上昇を抑制する傾向にあり、これが全身照射に対するp53非依存的防護効果に寄与している可能性が示唆された。また、血管内皮損傷が原因とされる腹部照射後のマウス遅発性腸死をバナデートは効果的に抑制できたことから、バナデートは血管内皮損傷に対する防護効果を有すると考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線骨髄障害に対するバナデートのp53非依存的な新規放射線防護効果として、炎症反応の制御が関与しているものと考えられた。これは、新たな放射線感受性修飾因子の発見につながるとともに、新規放射線防護剤の開発にも寄与するものと考える。 他方、バナデートは分割照射後の遅発性腸死を効果的に防ぐことが明らかとなり、骨盤部放射線治療で生じる直腸炎などの晩期障害を防ぐ有望な防護剤としての可能性が示された。
|