研究課題/領域番号 |
21K07650
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
荻野 浩幸 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (60315885)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 放射線治療 / デノビエ筋膜 / スペーサー |
研究開始時の研究の概要 |
2018年よりポリエチレングリコール製のハイドロゲルをデノビエ(Denonvilliers)筋膜背側に注入することで前立腺と直腸の距離を離すスペーサーが国内でも使用できるようになり、現在急速に普及しつつある。直腸出血の減少効果が証明されている一方で注入術に伴う有害事象も報告されており、安全な注入方法の確立が必要である。本研究の目的はハイドロゲルスペーサー注入部位であるデノビエ筋膜周辺の臨床解剖の詳細を明らかにすることで、安全かつ有効なハイドロゲルスペーサー注入術の確立を目指すことである。
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研究実績の概要 |
前立腺癌放射線治療における有害事象で最も大きな問題となるのが直腸からの出血であり、患者QOLの大きな原因大きな原因となっている。その対策としてデノビエ筋膜背側にハイドロゲルを注入することで直腸と前立腺の距離を離し、直腸に照射される線量を大幅に低下させることで直腸からの出血を予防するスペーサー留置術が保険適用されている多くの症例では安全にスペーサーが留置でき本来の目的である直腸出血の発生を抑制することを果たしている一方で、少数例ながら直腸潰瘍など比較的重篤な有害事象の発生の報告もあり安全性の確立が急がれる。 これまで臨床的な検討がほとんどなされてこなかったデノビエ筋膜周囲の静脈分布に着目した臨床解剖を薄層MRIを中心に検討することで、重篤な有害事象が発生する原因を同定し、より安全なスペーサー留置法を確立することが本研究の目的である。 1800例の画像データベースを構築し検討をおこなったところ、直腸静脈叢と前立腺周囲叢の間のネットワークが存在し、直腸静脈周囲の静脈への注入により直腸粘膜下層までハイドロゲルが入り込む可能性があることが判明した。 今後はさらに症例数を増やした検討をおこなっていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで1800例を超える症例の画像データベースを作成することができ、現在解析を進めている。いずれの画像においてもハイドロゲルは1㎜以下の血管まで描出できることを確認した。また、静脈内注入が生じた症例において直腸周囲静脈叢と前立腺周囲静脈叢の連結が高頻度の描出されており、一部症例において直腸静脈叢から直腸粘膜下層への逆行性のハイドロゲル侵入経路を明らかにすることができた。これまで直腸粘膜の潰瘍などの損傷は手技時に直接粘膜を戦死することが原因の主たるものとの説明があったが、実際には静脈を介した粘膜下層へのハイドロゲルの侵入がメインルートである可能性があり、今後はさらに症例数を増やすして検討をおこなうことで直腸粘膜への供血路の解明を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
すでに2000例の症例への注入術を行っており、それらを含めた画像データベースの構築を進めるとともに直腸周囲静脈叢から直腸粘膜下層への経静脈経由の注入の発生原因を検討し、予防法についても考案する予定である。結果については随時学会発表等で行っていく予定である。
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