研究課題/領域番号 |
21K07653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
山本 文彦 東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (40253471)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ラジオセラノスティクス / 分子イメージング / 放射性標識合成 / 腫瘍 / ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
がん画像診断や放射線治療を同じ基材で行えるラジオセラノスティクスは患者の病状に合わせた効果的な個別化がん治療が提供できる薬剤として期待される。その創製を目指し、腫瘍への特異的集積性とステルス特性を保持しつつ、複数回投与可能な新型ナノ粒子実現のための新たなドラッグデザインの妥当性を明らかにする。その戦略として我々が開発中のナノ粒子を母核とし、治療用核種にも置換可能な診断核種標識体を開発する他、複数回投与を可能とするポリグリセロール修飾両親媒性ポリマーを作り最適な修飾比を見出す。この戦略の有効性が明らかになればナノ粒子のラジオセラノスティクス開発と臨床利用への道を拓くことが期待できる。
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研究成果の概要 |
ラジオセラノスティクスの創製を目指し、腫瘍への特異的集積性だけでなくステルス特性を保持したままAccelarated Blood Clearance(ABC)現象を回避する「ラクトソーム」実現のための新たなドラッグデザインの妥当性を検討した。 高い腫瘍集積性と予想されたAB型ラクトソームを母核とし、90Yにも置換可能な111In標識体を新たに開発し腫瘍モデルマウスへの生体内分布や腫瘍集積性について評価し新たな知見を得たほか、ABC現象を回避すると予想されるポリグリセロール官能基を有する新たなデザインのラクトソームを開発、投与後の産生する血中抗体量がラクトソームより低減した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PEGリポソームなど化学療法のDDS基材としてナノキャリアが多く開発され、EPR効果を利用した腫瘍治療薬剤として上市されたものもあるが、分子イメージング基材やセラノスティクス基剤として確立するには解決すべき課題がある。 本研究によりラクトソーム構成ポリマーに機能付加を行うことで、血中抗体量を低減させることが可能になった。評価にはインビボでのABC現象回避や腫瘍集積性の検討がさらに必要だが、今後ナノ粒子機能付の妥当性が明らかとなれば、がん診断だけでなく治療精度の向上にも寄与できるセラノスティクス製剤としてのナノ粒子開発に道を拓くものと期待される。
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