研究課題/領域番号 |
21K07663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
豊原 潤 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50425659)
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研究分担者 |
森田 光洋 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (50297602)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アクアポリン / PET / 脳 / 放射性薬剤 |
研究開始時の研究の概要 |
アクアポリン(AQP)は水分子のみを通過させる膜蛋白質で、哺乳類の脳では、主にAQP4が発現している。AQP4は、脳脊髄液の循環に関与しているとされており、脳浮腫、精神疾患、炎症性脳疾患、神経変性疾患に対する新薬開発の新たな分子標的として注目されている。AQP4の高次脳機能における役割の解明や創薬へ向けては、AQP4に対するより深い理解が必要であり、AQP4の機能を計測できるPETイメージング剤の開発が望まれている。本研究では、最新の標識化学の知見を活用して、「AQP4に対する高感度かつ選択的な高品質のPET薬剤の実用化」を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、AQPに対するPET薬剤[11C]TGN-020の標識合成法の改良を検討した。Cu(I)触媒を用いたボロン酸エステルの[11C]カルボキシル化反応を用いる方法では、一段階目の[11C]ニコチン酸を30%の収率で得たが、第一段階の反応試薬により、引き続くアミド結合生成反応が阻害された。中間体の粗精製を検討したが、反応阻害は避けられなかった。アミド結合生成反応について、縮合剤としてDMT-MMを使用することで、定量的に目的物が得られたため、第一段階目の反応をアルキルリチウムを用いた方法とし、極低温反応用の外付けモジュールを設計した自動合成装置にインストールした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AQP4に対するPET薬剤として[11C]TGN-020が提案されたが、標識反応において担体であるCO2を添加するため、比放射能が低く、かつ収率が極めて低い(<1%)ため、実用的では無く、単独施設のみの臨床使用に限定されている。申請者はこれに対して、新しい標識合成方法や合成装置の改良を提案し、[11C]TGN-020について高比放射能化によるAQP4の検出感度の向上と放射化学的収率の増大により、サイクロトロン保有施設での利用促進に努力した。研究成果は道半ばではあるが、新規標識合成法の問題点や改良点が明らかとなり、実用化を目指した合成装置の改良も達成できた。
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