研究課題/領域番号 |
21K07667
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
岡本 雅彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10451725)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 膵癌 / 重粒子治療 / 線量増加 / 重粒子線治療 |
研究開始時の研究の概要 |
重粒子線治療はX線治療と比較して、殺細胞効果が高い事が知られている。通常の放射線に抵抗性である骨軟部肉腫や腺癌に対しても高い局所制御率が得られるが、一方で20-30%の患者において照射範囲内再発が認められる。本研究では「ある種の腫瘍における高LET領域での生物学的効果比は臨床で使用しているものより低く、実際の生物効果は想定より低い。その線量不足から再発を来している」という仮設を立て、その検証ならびに、それを克服する時間的、空間的な観点からの新しい照射方法の開発を目的とするものである。
|
研究実績の概要 |
(2023年度) 1.線量増加に向けた方法開発: 2022年度に解析された結果から、①後方からの斜めビームの活用と、②Filed in Filed法の際に、大filedの方からの調整をすることで不足していると考えられる局所への重粒子の線量増加が可能かどうかの検討を行った。当院で過去に照射された症例を用いて仮想プランを作成し、周囲のリスク臓器への線量を安全な範囲で保ちつつ、線量増加が可能かどうかの検討を行った。結果として、上述の方法を用いることでこれまでの方法での上限であった64.8Gy(55.2Gy+9.6Gy boost)を超え、67.2Gy(55.2Gy+12.0Gy boost)までの線量増加が可能となった。ただ全ての症例で可能なわけでなく、十二指腸が近接する膵鈎部癌症例や、膵体部で胃が近接する症例では消化管への線量が基準を超えたため、膵体部症例で実施する際にはスペーサーの挿入が必要であることが示唆された。
2.線量増加試験立案に向けての検討 同じく重粒子線治療を行っているQST病院等と共同して多施設共同の線量増加試験の立ち上げを行う方針とした。2024年度中の開始を目指して、オンラインでの打ち合わせを数回実施した。具体的なプロトコール、線量制約などの調整をし、来年度にプロトコール完成を目指していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
線量増加に向けての基礎的検討が終了し、臨床試験立案の段階まで進んでいるため、当初の計画通り順調に進んでいるものと判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
QST病院や他の重粒子施設と共同して多施設共同の線量増加試験の立ち上げを行う方針としている。 2024年度は具体的なプロトコールを作成、線量制約などの調整をし、来年度中での試験開始を目指している。
|