研究課題/領域番号 |
21K07676
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤田 展宏 九州大学, 大学病院, 助教 (30610612)
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研究分担者 |
石神 康生 九州大学, 医学研究院, 教授 (10403916)
西江 昭弘 九州大学, 医学研究院, 教授 (20457427)
石松 慶祐 九州大学, 大学病院, 助教 (20800147)
牛島 泰宏 九州大学, 大学病院, 講師 (40432934)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝臓 / MRI |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓は体内最大の代謝器官であり、きわめて高い再生能力を持つ。肝切除術後や肝障害による肝細胞喪失時に肝再生が起こるが、不十分な肝再生は肝不全の原因となるため、治療前に肝再生を予測できれば方針決定に寄与する。MRIには肝機能や組織学的な肝実質の炎症・線維化、肝再生に関与しうる微小環境(脂肪・鉄沈着量やタンパク量)を評価できる種々のパラメーターが存在し、肝再生に伴う肝実質の変化を包括的に評価することが可能である。本研究では、肝再生が重要である様々な臨床状況において、肝再生に伴うMRIパラメーターの変化を観察し、肝再生の新たな評価法を確立し、肝再生の予測モデルを確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
肝再生は様々な因子により複雑に制御されている。現在、肝再生の評価・予測には、血液学的検査による肝機能評価、生検などの組織学的検査、肝の容積を測定するvolumetryが用いられているが、現状では十分な精度があるとは言い難い。MRIにはvolumetryだけでなく、肝機能や組織学的な肝実質の炎症・線維化、肝再生生に関与しうる微小環境(脂肪・鉄沈着量やタンパク量)を評価できる種々のパラメーターが存在し、肝再生に伴う肝実質の変化を包括的に評価することが可能である。本研究の目的は、肝再生が重要である様々な臨床状況において、肝再生に伴うMRIパラメーターの変化を観察し、肝再生の新たな評価法を確立することである。 本年度は、昨年度までの研究で良好な結果が得られた肝片葉切除後の患者を対象とした研究を引き続き行った。手術前後でCTによるvolumetryを行い、術後の肝再生を定量的に評価し、MRIの画像パラメーターとの比較を行った。結果、Gd-EOB-DTPA(gadolinium ethoxybenzyl diethylenetriamine pentaacetic acid、以下EOB)造影MRIを用たEOB投与後20分後の肝細胞相のEOBの取り込みの程度が肝片葉切除後の肝再生の程度と有意な相関があった。一方、3D modified DIXON(mDIXON)法による肝実質の脂肪沈着(fat fraction)および鉄沈着(R2*)、肝臓のタンパク質の定量が可能なT1ρ値計算画像、CEST (chemical exchange saturation transfer) 画像から得られたパラメーターと肝再生には有意な相関を認めなかった。EOBの取り込みの程度が肝片葉切除後の肝再生の予測に有用である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肝実質のEOBの取り込みの程度が肝片葉切除後の肝再生の予測に有用である可能性が示唆された。同結果を、2023年の第82回日本医学放射線学会総会にて報告した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度以降は、これまでに得られた結果を論文化し、発表を目指す。また、肝片葉切除だけでなく、肝移植後や経皮経肝門脈塞栓術後、急性肝炎/劇症肝炎後など、他の肝再生が重要となる症例を対象として、同様の検討を行う。
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