研究課題/領域番号 |
21K07677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
北島 美香 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (60305018)
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研究分担者 |
米田 哲也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (20305022)
竹林 実 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (60304440)
上谷 浩之 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80583046)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | うつ病 / 高精細MRI / 拡散画像 / うつ病治療 / MRI / 拡散MRI |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病の診療において、現状では臨床症状評価を上回る感度の客観的指標(バイオマーカー)がない。本研究では、うつ病に対する確立された治療法である電気けいれん療法を受けるうつ病の方を対象として、脳の構成要素の一つであるグリアおよび脳間質液・脳脊髄液の代謝経路を含む脳微細構造情報を高精細拡散MRI画像から、形態情報を構造MRI画像から、血流情報をarterial spin labelingから取得し、脳の状態を総合的に評価し、スコア化する。治療前後でこれらの画像情報の推移を評価し、また、臨床評価と比較することにより、画像スコアが治療感受性の高い客観的指標(画像バイオマーカー)となりえるか検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、うつ病の病態を解明し、診断や予後予測に有用なバイオマーカーを決定することを目的とする。頭部MRI画像から得られる脳の形態、機能、血流はその重要なバイオマーカーとなる可能性があり、本研究では、頭部MRI画像情報として、脳の形態を脳の体積や皮質の厚み、機能を拡散情報、血流をarterial spin labelingより取得し、臨床評価とあわせて、うつ病に一定の効果があるとされている電気けいれん療法の前後でそれらを比較することにより、頭部MRI画像情報の有用性を検討する。本年度は、臨床dataを取得するとともに、まず、電気けいれん療法前後でROI解析によるMRI定量値を測定するにあたり、再現性を高めるための画像解析の工夫を行った。具体的には、個人脳の形態はそれぞれ異なるため、治療前のMRI形態画像に、すべての画像をregistrationした。これにより、再現性をもって治療前後の画像で同一部に臨ROIが設定されると考えた。昨年度-本年度で臨床症例9例のdataを収集し、解析を行った。脳の形態については、電気けいれん療法により神経再生が起こるとされている海馬について評価した。海馬の体積を総頭蓋内容積で除した値は、電気けいれん療法後、海馬全体および海馬歯状回でその値が有意に増加した。また、Glymphatic systemの評価指標となるALPS indexは症例により電気けいれん療法による変化が異なっており、一定の傾向は見られなかった。細胞構築の指標となる拡散情報から得られる指標については、海馬の一部に有意な変化を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
治療前の患者dataの取得は進んでいるが、治療後のdata収集が遅れている。電気けいれん療法が対象となる状態は比較的重度のうつ状態のことが多いとされており、電気けいれん療法を予定して研究に参加したが、治療方針が変更となる場合、あるいは治療後に研究対象者の同意が撤回される場合などが考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
積極的に研究対象者のリクルートにあたる。具体的には、神経精神科に研究対象者となる方がいないかどうか、数か月毎に確認を行う。また、これまでの症例の画像解析において、治療前後の画像のregistrationの精度が症例によりややばらつきがみられたため、registrationの精度をさらに高める手法を検討する。今後1年を含め、研究期間中に収集した症例において、治療前後の臨床評価と画像情報を比較し、治療効果を予測するための画像インデックスを導き出す予定である。
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