研究課題/領域番号 |
21K07681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
津山 尚宏 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (10335747)
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研究分担者 |
阿部 悠 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (00722472)
工藤 健一 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00805799)
坂井 晃 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70284221)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 染色体転座 / 電離放射線 / CRISPR-Cas9 / 放射線感受性 / 責任遺伝子 / CRISPR/Cas9 |
研究開始時の研究の概要 |
電離放射線はDNA二本鎖切断を介して染色体異常を引き起こすが、分子機構の全体像は不明である。本研究では若い健常人の末梢血リンパ球に自然に生じた染色体転座頻度の分散と放射線誘発転座頻度の個人差を解析し、正常ヒト集団の染色体転座頻度を得る。 並行して染色体転座の分子機構解析を試みる。我々が樹立したt(11;14)転座誘導系を用い、既知遺伝子異常のヘテロ接合性の影響、DNA二本鎖切断(DSB)修復シグナル・ゲノム不安定性を修飾する代謝やレドックス制御シグナルの系統的なノックダウンによる影響、未知の機序解明のため全ゲノムノックアウトライブラリー導入による易転座誘発性の標的同定を行い、機序の理解を目指す。
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研究実績の概要 |
電離放射線はDNA二本鎖切断を介して細胞ゲノムに転座などのランダムな染色体異常を誘発し、異常頻度は線量依存的に増加する。DNA二本鎖切断修復の過程で、異なる切断末端同士が再結合して染色体異常(転座)が生じる分子機構の全体像は不明である。また特定の染色体転座は疾病の原因となるため、染色体転座を調節する機構の解明は重要である。 本研究ではまず、正常ヒト集団の自然に生じる染色体転座頻度と放射線によって誘導される染色体転座頻度の基礎データを得るため、インフォームドコンセントを得た若い健常人の末梢血リンパ球を単離し、自然に生じた染色体転座頻度および放射線照射により誘発された転座頻度を解析している。 同時に培養細胞を用いて染色体転座の分子機構解析を行っている。CRISPR-Cas9を用いたt(11;14)転座誘導系に加えt(11;22), t(5;6)転座誘導系を作成し、導入した培養細胞の転座頻度をリアルタイムPCRでモニターする。導入する細胞には、予め、DNA二本鎖切断(DSB)修復シグナル・ゲノム不安定性、放射線感受性を修飾する責任遺伝子、代謝やレドックス制御シグナル分子群について、特異的阻害剤処理やレトロウイルスshRNA発現ベクターによる系統的なノックダウンを行い、転座頻度の変化を観察する。さらにゲノム編集を用いて作製したATMなどの既知遺伝子異常のヘテロ接合細胞を用いた転座誘導影響解析を行う。加えて、未知の機序解明のため全ゲノムCRISPR-Cas9ノックアウトライブラリー導入による易転座誘発性の獲得と標的同定を行い、染色体転座誘発機序の理解を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
健常若年者集団における自然/放射線誘発線染色体転座頻度の解析については、全ての検体について非照射・0.2,1Gy照射検体のFISH標本を作製してMetaferシステムによる5000メタフェーズ以上の画像取り込みを完了し、染色体異常頻度解析を逐次進めている。 CRISPR-Cas9によるt(11;22), t(5;6)転座誘導系は培養細胞に導入して染色体転座が誘導されることを確認し、shRNA発現ウイルスベクターを導入した細胞に対し転座誘導ベクターを導入して、転座頻度解析を行っている。 所属講座の他の研究に時間を要したため、本研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書の内容に従い、順次解析を進める。
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