研究課題/領域番号 |
21K07686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
山根 彩 日本医科大学, 医学部, 助教 (60809656)
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研究分担者 |
関根 鉄朗 日本医科大学, 医学部, 講師 (00747826)
中田 亮輔 日本医科大学, 医学部, 助教 (70614759)
安井 大祐 日本医科大学, 医学部, 助教 (00755001)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | EOB MRI / 深層学習 / EOB-MRI |
研究開始時の研究の概要 |
近年、提案されている新技術に、申請者固有技術のdeep learningを組み込んだ臓器segmentationを組み合わせ、肝転移に対するEOB-MRI撮影及び診断を包括的に改善する事を目的とする。本研究の特徴として、EOB-MRIに関連した新規技術の臨床導入を明確に意識している点を挙げる。実臨床への波及効果の視点から先行研究の意義を再定義し、有機的に結びつける事を目指す。
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研究実績の概要 |
本検討のキーとなる拡散強調画像のプロトコル改善を行った。 具体的には双極傾斜磁場の印可スキームやシミングのパターンを検討し、息止めに適した撮像時間短縮を行った。本改善結果を下敷きにスライス間のgapを無くしたgapless、1回息止めのプロトコルを開発した。しかし、SNRが安定せず、スライス厚を5mmから7mm程度に増やす必要があった。本撮像条件下で10例程度の初期検討を行い、定量的な画質評価の比較検討を行った。バックグラウンドノイズに対するSNRや正常肝実質に対するCNRは深層学習再構成に伴い向上する事が確認出来た。しかし、スライス厚の増加分、微細病変の見落としが増加し、totalの診断能としては低下してしまった。 本検討結果を踏まえ、1回息止めプロトコルは諦め、2回息止めのプロトコル(total1分弱程度)を作成し、現在、症例蓄積中である。共同研究企業ともdiscussionを行い、今後はMRIのバージョンアップを行い、radial samplingのDWIを自由呼吸下で撮影し、深層学習再構成で画質向上を行う事を予定している。従来の呼吸同期手法では、呼吸の体動に伴うartifactが存在するため、呼気時のみのデータ収集となるため、呼吸パターンに伴う撮像時間の延長のリスクがあった。これに対して、自由呼吸+radial収集であれば、k-spaceのcenterを繰り返し収集する事と、各収集ブレード間での位置合わせがバックグラウンドで行われるため、連続データを取得しても呼吸変動に伴うartifactが最小限に抑えられる事が見込める。本radial収取自体は従来より存在していたが、本法の弱点としてSNRの低下があるため、必然、加算回数の増加=撮像時間の延長に繋がっていた。SNRの低下は深層学習再構成による補償出来るため、本撮影との組み合わせは非常に有用と期待出来る。 MRI各プロトコル同士の画像位置合わせアルゴリズムについては共同研究企業のパッケージでシームレスに施行可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
拡散強調画像の画質向上に当たって、深層学習による画質改善は定量的指標では得られているものの、診断能の向上までには至っていない事が分かった。診断能向上に直結する様なプロトコルを確立してから臨床検討に進まないと、インパクトのある研究になり得ないと思われ、現在、撮影プロトコルを策定中である。臨床的なMRIの需要が増え、検査時間が長いEOB-MRI検査のorderを入れにくい状況となっている。2022年度の半ばに検査枠の改訂を計画したが、3ヶ月程度先まで既存検査が入っていたため、臨床検査workflow上、変更が困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、MRIをバージョンアップして、Radial typeのDWI+自由呼吸+深層学習再構成による画質向上と撮像時間短縮プロトコルの立案を予定している。 前立腺領域でも深層学習を用いた検討を行っており、この領域の研究経験を転用する事を予定している。 共同研究企業の持つ深層学習を活用した領域抽出アルゴリズムの開発パッケージを2023年5月から導入予定であり、異なるアプローチからの深層学習活用を予定している。
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