研究課題/領域番号 |
21K07687
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
石井 英樹 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員 (80425610)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 陽電子放射線断層撮影 / 炭素11 / 標識化合物 / 二硫化炭素 / チオウレア / PET / 標識薬剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、炭素11標識二硫化炭素(11CS2)を基軸とした様々な分子変換反応により新規の炭素11標識化合物(チオアミド、チオウレア、チアゾール、イソチオシアネート、ジチオカルバミン酸などの11C標識骨格)を合成し、これらの骨格を含有する新たなPETプローブ開発に応用することを目指した研究である。
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研究実績の概要 |
陽電子放射線断層撮影(PET)法は簡便に極微量で薬物動態を測定できることから疾患診断や薬効の評価および創薬研究において非常に重要な手法となっている。申請者は様々なPETプローブの開発を念頭に、従来標識前駆体として用いられている炭素11(11C)二酸化炭素(11CO2)ではなくこれをより反応性の高い炭素11(11C)二硫化炭素(11CS2)へと変換しこれを標識前駆体とした合成し計画した。11CS2は11C標識チオアミド、チオウレア、チアゾール、イソチオシアネート、ジチオカルバミン酸などの合成を活用可能であるが、昨年度は11CS2をアンモニア水と反応させることで11C標識チオウレアに変換し、これを用いた標識化合物の構築を計画していた。しかし11C標識チオウレアは11CS2をアンモニア水と反応することで容易に合成可能であったが、この11C標識チオウレアを用いた更なる反応を行うために溶媒として用いた水の除去が必要であった。そこで水の除去を試みたが続く反応が進行しなかった。原因は加熱による11C標識チオウレアの構造変換と思われたため、アンモニア水溶液ではなくアンモニアガスと11CS2を混合しこれを有機溶媒に吹き込むことで11C標識チオウレアを合成する新規の合成システムを構築した。その結果有機溶媒に溶解した11C標識チオウレアの合成に成功し、これを用いた3,4-ジクロロベンジルブロミドとの反応による11C標識S-ベンジルイソチオ尿素への変換に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度研究の遅れの原因であったアンモニア水を用いることによるその後の水の除去のための対策を検討する必要があったこと、そして新たに水を溶媒として使用しないアンモニアガスと11CS2とを反応させるシステムが必要になり、そのための装置の設計及び構築に時間を要してしまったため計画の進行がやや遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は今年度合成できた11C標識チオウレアを用いた11C標識キナゾリン類や11C標識ピリミジン類の合成を行う予定である。また今年度は11CS2とアミンとの反応で得られる11C標識ジチオカルバミン酸塩を加熱処理することで11C標識イソチオシアナート類の合成を確立したいと考えている。さらにこの反応が成功すれば植物由来のイソチオシアナートであるPhenethyl isothiocianate (cabbage)やp-Hydroxybenzyl isothiocyanate (white mustard)などの11C標識体を合成する予定である。
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