研究課題/領域番号 |
21K07688
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
須藤 仁美 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 主任研究員 (10415416)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 放射免疫療法 / ポドプラニン / 中皮腫 / アクチニウム225 / α線 |
研究開始時の研究の概要 |
放射免疫療法は、癌細胞に高発現している抗原に対する抗体に治療用のラジオアイソトープを標識し、体内に投与する放射線治療法である。これまでにがんで発現しているポドプラニンを特異的に認識する抗体を用い、β線治療核種Y-90による放射免疫療法の効果について、腫瘍モデル動物において重篤な副作用なしに高い治療効果が得られたことを報告した。本研究では、β線よりも高い細胞障害性をもつα線を放出する核種であるAc-225で抗ポドプラニン抗体を標識し、その治療効果や副作用をマウスモデルを用いて評価し、Ac-225標識ポドプラニン抗体の放射免疫療法の臨床応用に向けた根拠を示す。
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研究成果の概要 |
我々は、皮下腫瘍モデルを用いて中皮腫に高発現しているポドプラニンを特異的に認識する抗体をRI標識した放射免疫療法(RIT)が中皮腫の治療として有望であることを示してきた。本研究では、中皮腫同所移植モデルを作成し、225Ac標識抗体投与による腫瘍・臓器の吸収線量、治療効果と副作用の検証を行った。225Ac標識抗体を尾静脈投与すると、高い治療効果が得られたが、肺や骨髄での吸収線量が高かった。225Ac標識抗体を胸腔投与すると、肺や骨髄への集積は抑制でき十分な治療効果を得ることができた。以上のことから、225Ac標識した抗ポドプラニン抗体の胸腔投与は、有望な治療法になることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
α線放出核種である225Ac標識した抗ポドプラニン抗体が90Y標識した抗ポドプラニン抗体に比べ、より高い治療効果を持つことが示され、α線放出核種を用いたRIT(α-RIT)が中皮腫に対する有望な治療法になることが示唆された。 また、ポドプラニンは脳腫瘍など様々ながんで高発現していることが報告されており、本抗体を用いたα-RITが中皮腫以外の固形がんの治療法の開発に大きな進展をもたらすことが期待される。
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