研究課題/領域番号 |
21K07710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
佐々木 恒平 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (20736376)
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研究分担者 |
松谷 悠佑 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究職 (20826929)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 造影剤 / DNA二本鎖切断 / モンテカルロシミュレーション / DNA損傷 / エネルギースペクトル / 細胞間シグナル伝達 / 放射線生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではこれまでの研究成果を発展させた上で,基礎研究と臨床研究とをつなぐ橋渡し研究を行う.放射線被ばくに伴う生体組織応答や低線量被ばく影響に関する最新の研究知見をもとに,生体内の細胞間コミュニケーションによる放射線リスクを推定するツールと線量指標を開発する.これら放射線リスク推定ツールの開発をベースとした研究展開により,臨床における低線量放射線影響について今日的な観点からより詳細な解明を目指す.
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研究実績の概要 |
R4年度は(1)細胞照射実験によりヨード造影剤による放射線増感効果を測定した。造影CT検査を再現した低線量被ばくを実測するため、ヨード造影剤を添加した細胞実験を行い, 造影剤による放射線増感効果を評価および(2)低線量生物影響を考慮した線量指標を開発し、その結果から体表面からの水等価厚をパラメータとして, DNA損傷発生の期待値に対する重み付け係数を求める.①~③により生物学的効果を重み付けした線量指標を定義する。以上の項目について取り組んだ。 (1)造影CT検査を再現し、細胞レベルでの低線量被ばくにおけるヨード造影剤の影響を評価した。異なる濃度(0, 2, 20 mgI/mL)のヨード造影剤を添加した培地にV79細胞を播種し、120kV-X線により0, 0.05, 1Gyの線量で細胞照射実験を行った。各群に対し、DNA二本鎖切断を評価点とするため、ガンマーH2AX抗体による免疫染色法を実施した。この結果、照射群においてヨード造影剤によるDNA二本鎖切断の有意な増加が確認された。この際、培地に添加したヨード造影剤濃度が大きいほど、DNA二本鎖切断の増加が大きい結果となった。また、非照射群の結果より、X線を照射しなければヨード造影剤によるDNA二本鎖切断の増加は見られないことから、ヨード造影剤自体にはDNAに対する毒性がないことが示された。 (2)については、細胞実験によるDNA損傷数のデータを充実させていき、数理モデルの開発が進行している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞実験の遂行に時間がかかってしまったため、その結果を用いたモデル化が若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
細胞実験データを追加し、モデル化を進めていく。
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