研究課題/領域番号 |
21K07711
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中原 健裕 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (00599540)
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研究分担者 |
陣崎 雅弘 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (80216259)
岩渕 雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90573262)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | atherosclerosis / NaF / FDG / PET / CT / calcification / micro calcification |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、動物モデルにおいて、同一個体の同一プラークの炎症・microcalcificationから石灰化に至る経時的変化を18F-FDG(炎症マーカー)、18F-NaF(microcalcificationマーカー)を用いて観察し、動脈硬化の進展過程を明らかにする事である。その為に イ. 動物モデルを作成し炎症・microcalcification・石灰化の経時的変化をμPET-CTで観測する。 ロ. トレーサー取り込みを画像化後、病理学的に評価・確認をする。 ハ. 薬剤による石灰化の進展効果もしくは抑制効果との関連性を検討する。 を行う。
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研究実績の概要 |
不安定プラークの破綻は、急性冠症候群を引き起こし、心臓突然死の原因となる。治療法の進歩により死亡率は低下しつつあるが、心不全などの合併症を引き 起こし、その後の死亡率上昇や生活の質の著しい低下を生じるので、発症自体を予防できることが望ましい。 我々は、不安定プラークおよびその破綻において炎症・microcalcification・石灰化が重要 な役割を示すことを示してきた。本研究は、不安定プラークの特徴である炎症・microcalcificationの同一個体・同一プラークにおける経時的変化を、分子イメージングで非侵襲的に観察することで、急性冠症候群の予兆と考えられる事象を経時的に明らかにし、これらの把握による発症予測の可能性、および治療薬による動脈硬化プロセスに与える影響を検討することである。 申請後に発表された論文「Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2021 41 e185 Xian JZ. Statin Effects on Vascular Calcification」において、ApoEノックアウトマウスの生後55週齢から76週齢における大動脈石灰化の観察を行い、石灰化の顕著な増加を観察し、スタチンが石灰化を抑制することが示されていた。今回のわれわれの検討でも、観察期間を延ばした方がより明確な石灰化を観察できることが見込またので、観察期間を刺激後80週程度まで延長して行っている。現在、刺激後1年半まで延長して観察・sacrificeした群は42匹、刺激後1年まで観察・sacrificeした群は10匹まで完了した。 当施設にある動物用PET画像再構成には1scanあたり6時間かかるので、機械に不具合が出ない程度の負荷量になるような頻度で、これまで撮影したデータの連続再構成を行っている。一部のデータは再構成画像のデータをワークステーション上でdicom形式に撮影毎に変更し、撮影毎のdicomeデータを外部出力し、解析用ワークステーションに取り込ませ、撮影毎のデータを解析を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請後に発表された論文「Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2021 41 e185 Xian JZ. Statin Effects on Vascular Calcification」において、ApoEノックアウトマウスの生後55週齢から76週齢における大動脈石灰化の観察を行い、石灰化の顕著な増加を 観察し、スタチンが石灰化を抑制することが示されていた。よって今回の検討でも観察期間を長くとり、期間が当初の予定より最大7-8か月延長するので、結果が出るまで7-8か月は遅延することになった。 昨年度の段階で相対的にやや遅れていたが、飼育環境の変化と資金を前倒して頂いたこと等により、おおよそ当初の予定まで遅れを取り戻している。
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今後の研究の推進方策 |
申請後に発表された論文にならい、生後18か月後程度まで観察期間を長くとり、NaF/FDG/石灰化の関係を観察している。現在観察中のマウスに対するPET検査も継続するとともに、これまで終了したマウスの撮影のデータと合わせて再構成を行っていく予定である。当施設にある動物用PET画像再構成には1scanあたり6時間かかるので、機械に不具合が出ない程度の負荷量になるような頻度で連続再構成を行っていく。そして、再構成画像のデータをワークステーション上でdicom形式に撮影毎に変更する。撮影毎のdicomeデータを外部出力し、解析用ワークステーションに取り込ませ、撮影毎のデータを解析を行う予定である。また、固定した検体に対して病理学的検討も行っていく。
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