研究課題/領域番号 |
21K07723
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
北尾 梓 金沢大学, 保健学系, 教授 (20608690)
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研究分担者 |
原田 憲一 金沢大学, 医学系, 教授 (30283112)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 免疫療法 / PD-L1 / 画像バイオマーカー / Lenvatinib / MRI / IVIM / Gd-EOB-DTPA造影MRI / Dynamic CT / 分子標的療法 |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞癌における分子標的療法や免疫療法の標的となる分子の発現を画像により推測し、治療効果を予測することを目的とする。まずDynamic CTおよびGd-EOB-DTPA造影MRIを中心に、経動脈性造影CTやFDG PET-CTも加えた画像所見と各分子発現との相関を解析する。相関が認められた画像所見と実際の薬物治療の効果や予後との関連を明らかにし、適切な治療選択の一助となることを目指す。
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研究実績の概要 |
前回、免疫チェックポイントであるprogrammed cell death ligand 1 (PD-L1)陽性肝細胞癌における造影CTならびにGd-EOB-DTPA造影MRI所見を解析した結果、造影CT動脈相でrim様造影効果または造影低下域を示す頻度が高く、またMRIの拡散強調像におけるapparent diffusion coefficient (ADC)が低値を示すことを報告した。今回はこれらの画像所見が肝細胞癌に対する抗PD-L1抗体を含む薬物療法の治療効果と相関を示すかどうか検討を行った。Atezolizumab+bevacizumab治療が行われた進行肝細胞癌患者119症例を対象とし、治療前の主腫瘍が造影CT動脈相で全体に増強される群と造影不良群とに分類した。またADC=0.00118をカットオフ値としてADC高値群および低値群とに分類した。治療後の病勢制御率および生存率を比較した結果、造影CT動脈相での造影不良群では治療後にPR(部分奏功)またはSD(安定)となる頻度が高く、治療後の無増悪生存期間の延長を示したが、全生存期間の有意差は認められなかった。またADC低値群においても同様に病勢制御率が高く、治療後の無増悪生存期間の延長が確認されたが、全生存期間の有意差は見られなかった。以上より、肝細胞癌における造影CT動脈相での造影不良域およびADC低値は高悪性度を示唆する所見であるが、atezolizumab+bevacizumab療法の治療効果予測に応用できる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
画像解析および予後解析は予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
VEGFやCTLA-4など、PD-L1以外の薬物療法の標的の発現と画像所見との関連について検討を進める。
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