研究課題/領域番号 |
21K07753
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
小林 弘典 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (70397868)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | VLCAD / 極長鎖アシルCoA脱水素酵素 / 新生児マススクリーニング / 残存酵素活性測定 / LC-MS/MS / 極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症 / 中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症 / 酵素活性測定 / タンデムマス / 脂肪酸代謝異常症 / 酵素活性 / MCAD |
研究開始時の研究の概要 |
タンデムマスによる新生児マススクリーニング(NBS)が実施されるようにり,脂肪酸代謝異常症においては従来は発見されていない遺伝子型を有する患児が発見されるようになった.これらの患児は,NBS前診断例とは異なる遺伝子型を有する例も多い.またその中には極めて軽症もしくは無症候であると推測されるような例もいる.適切な治療や予後予測を行ううえでもこの様な新規変異を有する例の酵素活性値を簡便に評価する仕組みが求められている.本研究ではMCAD欠損症およびVLCAD欠損症について,培養皮膚線維芽細胞に新規遺伝子を組み込み,酵素活性を測定することで病原性の評価を行う.
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研究実績の概要 |
本年度は前年度に引き続き,LC-MS/MSを用いた酵素活性測定系の確立,および遺伝子導入の母体となる(VLCAD-/MCAD-)HEK293細胞の作成を行った.LC-MS/MS分析についてはHEK293細胞を用い,VCLAD活性測定の系を確定した.具体的にはC16-CoAを基質として加えたのちのC16:1-CoAを測定した.分析にはLCMS-8030plusを用い,移動相はアセトニトリル+炭酸アンモニウム10mMを用い,カラムはメタルフリーカラムL-colummn2 C8 (3μM,12nm,CERI) を用いて分析を行った.時系列で生成されるC16:1-CoAを定量し,本アッセイにおける反応時間は2.5分が最適であることを確認し,7.5分で基質生成はプラトーに達した.また,HEK293細胞については今年度はCRISPR-Cas9システムを用いてVLCADをノックアウトした細胞を作成し,VLCAD蛋白が発現していない事を確認した.ここにトランスフェクションする変異VLCADを含むベクターを作成した.作成ベクターは,重症型バリアントであるc.533G>A(G185S),筋型バリアントといわれるc.790A>G(K294E),c.1144A>C(K382Q),NBS開始後に発見されている軽症と推定されるc.1820G>C(C607S),c.1438G>A(M478I),c.1226C>T(T409M),c.865G>A(G289R)を作成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
HEK293細胞のノックアウトに時間を要したが,この問題は既に解決済みであり,少なくともVLCAD酵素活性については今後は順調に計画を遂行出来る見込みとなった.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は各変異VLCADを導入した細胞における酵素活性測定を行い,実際の酵素活性測定を完了する.MCAD欠損症についても同様のスキームで新規変異の酵素活性測定を行う予定である.
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