研究課題/領域番号 |
21K07756
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
池内 真代 大分大学, 医学部, 医員 (80865668)
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研究分担者 |
井上 真紀 大分大学, 医学部, 講師 (20726913)
清田 今日子 大分大学, 医学部, 医員 (30774492)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 遠位尿細管性アシドーシス / 難聴 / ゼブラフィッシュ / リソソーム / pH |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝性の遠位尿細管性アシドーシス(distal renal tubular acidosis : dRTA)は、腎の集合管におけるV-ATPaseの異常により、代謝性アシドーシスを来す疾患であり、感音性難聴の合併も多いが、感音性難聴の発症時期や機序は解明されていない。dRTAの原因遺伝子であるATP6V1B1は内耳の内リンパ嚢にも発現してpH調整をしており、内耳での酸分泌障害が感音性難聴の発症に関与している可能性が高い。本研究はゼブラフィッシュを用いて、ATP6V1B1遺伝子変異による内耳での酸塩基平衡における障害と難聴の関連を検討し、dRTAにおける感音性難聴発症のメカニズム解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、遺伝性遠位尿細管性アシドーシスの原因遺伝子の一つである、ATP6V1B1バリアントによるdRTAに伴う感音難聴の病態解析を行った。オーソログ遺伝子であるatp6v1ba欠損ゼブラフィッシュの内耳有毛細胞では、繊毛の脆弱化やオートファゴソームの形成が見られ、オートファゴソーム形成のマーカーであるLC3Bが強染色された。正常な酸性リソソームの標識に用いられる蛍光色素を用いたリソソーム染色では、リソソーム内部のpH調節の異常が確認され、リソソーム内のpH不均衡によるオートファジー不全と有毛細胞変性との関連を示し、この病態の理解と治療に新たな示唆を与えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゼブラフィッシュモデルは、その透明性により内耳が直接可視化可能であり、創薬のin vivoスクリーニングにも十分な実績を持つことから、本疾患モデルは将来の新たな治療法開発にも貢献する可能性がある。 本研究において作製したatp6v1ba欠損ゼブラフィッシュモデルやpHluorin2トランスジェニックモデルは、アシドーシスに関連した聴覚障害の疾患メカニズムや潜在的治療法をさらに研究するための貴重なツールとなりうる。
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