研究課題/領域番号 |
21K07761
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
河村 吉紀 藤田医科大学, 医学部, 臨床准教授 (30581475)
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研究分担者 |
井平 勝 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (10290165)
小澤 慶 藤田医科大学, 医学部, 助教 (10837545)
東本 祐紀 藤田医科大学, 医療科学部, 講師 (20569701)
吉川 哲史 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80288472)
平松 裕之 藤田医科大学, 医学研究科, 研究員 (80623206)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ヒトヘルペスウイルス6B / 内側側頭葉硬化症 / 内側側頭葉てんかん / RNA-Seq / トランスクリプトーム解析 / プロテオーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
乳幼児のコモンな熱性発疹症である突発性発疹症の原因であるヒトヘルペスウイルス6B(HHV-6B)は一般的には自然軽快する疾患だが、熱性けいれんや脳炎・脳症を合併することもあり、成人の難治性てんかんである内側側頭葉てんかん(MTLE)発症への関与が示唆されている。我々は患者の遺伝子発現を解析した先行研究で、脳の海馬や扁桃体といった部位に潜伏感染したHHV-6BがMTLE発症に関与する可能性を指摘した。本研究では先行研究に続き、タンパク質の網羅的な解析も行いHHV-6Bが関連するMTLE発症にかかわる候補分子を同定する。
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研究実績の概要 |
難治性てんかんに含まれる海馬硬化(MTS)による内側側頭葉てんかん(MTLE)発症にhuman herpesvirus 6B(HHV-6B)の関与が示唆されている。本研究ではトランスクリプトームおよびプロテオーム解析を行うことで、HHV-6Bが関連したMTS発症にかかわる候補分子を同定する。 海馬において、MTS22/79検体(27.8%)、非MTS3/25検体(12.0%)でHHV-6が検出され、既報と同様にMTSでHHV-6の検出率が高かった。扁桃体では6検体(20%)でHHV-6が検出され、MTS3/16検体(18.8%)、非MTS3/14検体(21.4%)でHHV-6の検出率に差はなかった。 それぞれ海馬および扁桃体のMTS-HHV-6検出群、非検出群、健常脳の6群で各2検体を年齢、性を一致させて抽出し、トランスクリプトーム解析を行った。主成分解析において海馬、扁桃体共にMTS-HHV-6検出群、非検出群、健常脳で遺伝子発現の傾向に差が認められた。ヒートマップ、ボルケーノプロット解析により各群に特徴的な遺伝子発現を19項目抽出した。これらの遺伝子発現を多数検体で検証したところ、FOS遺伝子がHHV-6陽性MTS脳で健常に比し統計学的有意に高発現となっていた。 また、プロテオーム解析においては、それぞれ海馬のMTS-HHV-6検出群6検体、非検出群5検体、健常脳4検体、扁桃体のMTS-HHV-6検出群3検体、非検出群6検体、健常脳3検体を解析した。トランスクリプトーム解析と同様に主成分解析で異なるタンパク発現の傾向が認められた。上記と同様の解析により2項目の特徴的な蛋白発現をピックアップしたため、これらをELISAを用いて多数検体で検証予定である。
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