研究課題/領域番号 |
21K07769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
安冨 素子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (80554526)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 食物アレルギー / 動物モデル / 難治化 / マウスモデル / 経皮感作 / 濾胞性ヘルパーT細胞 / トリプトファン代謝 / 濾胞性ヘルパー細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では経皮感作食物アレルギーモデルを用いて、食物アレルギー発症後の皮膚炎の持続が、 1)濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞の機能に影響し抗原特異的IgE産生を促進するか、2)感作部位や症状発現部位(腸管)に存在する免疫細胞のトリプトファン代謝酵素発現に影響を与えるか、3)食物アレルギー発症後のトリプトファン代謝に対する介入が、アレルギー症状やTfh細胞機能に影響を与えるか、を検討し、食物アレルギー難治化におけるTfh細胞とトリプトファン代謝の役割を解明する。 本研究により、食物アレルギーの新たな治療標的の創設と予後を予測するバイオマーカー同定に貢献すると考えられる。
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研究成果の概要 |
食物アレルギー(FA)の難治化要因には、アトピー性皮膚炎の持続、トリプトファン代謝の違いや濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞を介した高親和性抗原特異的IgE産生などがあり、経皮感作FAマウスモデルを用いて、皮膚炎の持続がトリプトファン代謝とTfh細胞に及ぼす影響を解析した。皮膚炎の持続は、アレルギー症状の重症化とトリプトファン代謝に関連していたが、抗原特異的IgE産生やTfh細胞比率や抗原特異的T細胞増殖とは関連しなかった。FA難治化におけるTfh細胞の役割は、皮膚炎の持続とは独立した因子であることが示唆され、皮膚炎治療に加えて新たな治療ターゲットとなることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳児期のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーの発症リスクであることが知られているが、我々は、抗原の非存在下であっても皮膚炎の持続がアレルギー症状の重症化に寄与することを報告した。食物アレルギーの難治化には、皮膚炎の持続、代謝産物の違いやTfh細胞など様々な因子が関与するが、我々の研究からは、FA難治化におけるTfh細胞の役割は、皮膚炎の持続とは独立した因子であることが示唆された。 食物アレルギーの治療として、外用剤による皮膚炎治療とは独立した、新たな治療ターゲットとなる候補因子を同定した意義がある。
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