研究課題/領域番号 |
21K07786
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部) |
研究代表者 |
佐藤 智 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部), 感染免疫科, 医長 (60385028)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 若年性皮膚筋炎 / 間質性肺炎 / 関節炎 / 新型コロナウイルス / 疾患モデル作成 |
研究開始時の研究の概要 |
小児リウマチ性疾患において最も予後不良な病態に急速進行性間質性肺炎(RP-ILD)がある。抗MDA5抗体は筋炎特異的自己抗体の一つとして、このRP-ILDを合併する若年性皮膚筋炎(JDM)から同定された。JDM発症原因は不明であり、抗MDA5抗体産生機序も解明されていない。抗MDA5抗体の対応抗原であるMDA5はⅠ型インターフェロン(IFNs)を含む自然免疫系に関わり抗ウイルス応答を果たしている。本研究は「ヒトの臨床病理組織検体を用いたMDA5とⅠ型FNs発現解析による病態解明、マウスモデルを用いたMDA5による間質性肺炎発症と抗体産生機序の解明」にて明らかとする。
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研究実績の概要 |
若年性皮膚筋炎は小児期発症の自己免疫性筋炎である。現在でもその発症原因は不明である。筋炎特異的自己抗体が複数同定され抗MDA5抗体、抗TIF1γ抗体、抗Mi2抗体が最近臨床応用されている。特に抗MDA5抗体陽性の若年性皮膚筋炎は筋力低下などの筋炎症状のみならず、間質性肺炎や皮膚潰瘍、関節炎などさまざまな症状を認める。特に間質性肺炎合併例はステロイドをはじめとする様々な免疫抑制剤に対しても治療抵抗性を示し予後不良な経過をたどる場合がある。 MDA5は樹状細胞やマクロファージの細胞質内に局在するタンパク質である。主に二本鎖RNAウイルスセンサーとしてⅠ型IFNs・炎症性サイトカインを誘導する。我々ヒトの自然免疫系としてウイルス感染防御に関わっている。従来より若年性皮膚筋炎の発症起点としてウイルス感染の可能性が挙げられている。実臨床においてもウイルス感染と若年性皮膚筋炎との関連性を検討している。新型コロナウイルスはRNAウイルスであり、小児においては小児多系統炎症性症候群(Multisystem Inflammatory Syndrome in Children;MIS-C)など、炎症性疾患として新たな疾患概念が報告された。一方で、皮膚筋炎との関連性は報告できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オミクロン株を中心に新型コロナウイルス感染流行を認めていた。若年性皮膚筋炎の新規入院が減少した。そのため、予定している生検を用いた検討が、十分に行われていない。皮膚筋炎を含めた小児リウマチ性疾患患者のコロナウイルス感染と疾患活動性の解析を行ったが新型コロナ感染と小児リウマチ性疾患の活動性や重症度との関連は認めななかった。
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今後の研究の推進方策 |
疾患モデルマウス(間質性肺炎モデルマウス、自己免疫疾患モデルマウス)をもちいてMDA5が介する自己抗体産生、臓器障害を解明する。
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