研究課題/領域番号 |
21K07796
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
遠藤 誠之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30644794)
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研究分担者 |
藤井 誠 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (10803760)
玉井 克人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (20236730)
新保 敬史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (70780609)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 気管支肺異形成症 / 治療 / 幹細胞 / 再生誘導 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
新生児治療の向上により、早産児の生存率は著しく向上した。しかしその一方で、気管支肺異形成症(BPD)はいまだ早産児の死亡の主要な原因である。近年、幹細胞治療はBPDの予防や治療法として期待されているが、MSCの臨床応用には、均質なMSCを安定的に供給することへの課題が指摘されている。本研究課題では、BPDモデル新生仔動物を作成し、間葉系幹細胞動員因子HMGB1ペプチドを静脈内に投与することで、血中を通して障害部位の肺へ自己骨髄由来間葉系幹細胞を動員させ、間葉系幹細胞の抗炎症作用、抗線維化作用、自己複製能によって肺の形態および肺機能が改善することを証明する。
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研究成果の概要 |
本研究ではBPDモデル新生仔動物に対して、ペプチド医薬であるHMGB1ペプチドの効果を検討した。我々は肺損傷がHMGB1ペプチドにより改善されることを示した。さらに、タンパク質レベルでは炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6) の産生が減少し、肺の可溶性コラーゲンの減少を示した。シングルセルRNA-seqを用いた解析では、マクロファージ、好中球、単球などの炎症細胞の誘導が抑制されることを認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
周産期医療の発展に伴い、より未熟な児が生存できるようになった。しかしながら、早産児の主な死亡原因である気管支肺異形成症は根治療法がなく、幹細胞治療がその予防や治療法と有効であることが報告されているが、細胞供給の不安定さなど課題も多い。今回の我々の研究では、自己骨髄由来間葉系幹細胞を障害組織へ誘導することで組織修復を行うペプチド医薬(HMGB1ペプチド)をBPDモデル新生仔動物に投与し、抗炎症効果と抗線維化効果を示した。これは気管支肺異形成症に対する新規治療薬になり得ると考える。
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