研究課題/領域番号 |
21K07798
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
秋山 倫之 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10379737)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ビタミンB6依存性てんかん / バイオマーカー / 液体クロマトグラフィ / 質量分析 / 酵素活性測定 / 遺伝子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ビタミンB6(VB6)依存性てんかんは主に新生児期に発病する。臨床検査では異常が乏しく、非典型例があり早期診断が難しい。原疾患は4つあり、3つでは診断バイオマーカーが判明したが、測定可能な施設が世界的に少ないため早期診断への壁は依然として高い。 本研究では、VB6依存性てんかんの早期診断体制の基盤構築のため、測定できるバイオマーカーを増やし、遺伝子・酵素診断の手法を整備し、各バイオマーカーの感度・特異度を確認する。また、乾燥ろ紙血でのバイオマーカーが新生児マススクリーニングに足る安定性を備えているか検討する。さらに、バイオマーカーが未発見の原疾患におけるバイオマーカーを探索する。
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研究実績の概要 |
ビタミンB6(VB6)依存性てんかんのバイオマーカー測定系の開発に関しては、分離・定量に課題が生じていたピリドキサミンに対し、塩基性物質の保持が可能なカラムを種々入手して検討したところ、十分な保持が得られるカラムが見つかった。その中から、ピリドキサミンと4-ピリドキシン酸両者が十分保持されるカラムを選び、今後の測定系開発に用いることにした。当初予定していた蛍光検出による測定法から質量分析による測定法への変更を行うことにしたため、蛍光を発さない他の物質の同時検出が可能になり、ALDH7A1欠損症およびPNPO欠損症の診断バイオマーカーの同時検出の条件がある程度定まった。また、内部標準(安定同位体)で市販されていない化合物があったが、他の化合物の安定同位体からの合成を試み、目的の化合物を得ることができた。現在、血清検体での前処理条件を検討中であり、今後は測定系のバリデーションに取り掛かる。その後、尿・髄液検体での測定方法の検討に進む予定である。 遺伝子解析については、サンガー法、リアルタイムPCR、全エクソーム解析、全ゲノム解析を用い、既報の原因遺伝子に関しては診断可能な状態になっている。今後、臨床的にビタミンB6で発作が完全抑制された患者数名に対し、解析を予定している。 酵素活性測定についてはALDH7A1についての検討を進め、培養尿由来細胞で酵素活性が測定できることが判明した。現在、測定条件の最適化と感度向上を目指している。また、ADLH7A1欠損症患者の尿検体を収集し、尿由来細胞の培養を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き、LCカラム、他の試薬・消耗品の入手に時間がかかり、世界情勢や円安で価格が上昇したため、測定系開発のスケジュールが遅延した。また、細胞培養に時間がかかり、酵素活性測定の開発スケジュールに影響した。
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今後の研究の推進方策 |
血清用のバイオマーカー測定系のバリデーション作業を行う。その後、尿検体・髄液検体での測定系の開発に進む。臨床検体中のバイオマーカーの安定性も調べる。 酵素活性測定に関しては、尿由来細胞の培養を進め、測定系の高感度化により必要な細胞量の少量化を目指す。人工遺伝子を用いた発現実験も同時に進めていく。 ビタミンB6依存性てんかん患者の臨床検体の収集については、学会等を通じて呼びかけを行い続けていく。
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