研究課題/領域番号 |
21K07802
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
加藤 晋 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (90551250)
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研究分担者 |
野村 孝泰 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (50587334)
加藤 寛之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80791293)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 新生児慢性肺疾患 / 慢性肺疾患 / 肺胞マクロファージ / 炎症 / フローサイトメトリー / 肺胞洗浄液 / LPS / 肺胞形成 / 子宮内感染 |
研究開始時の研究の概要 |
早産児の慢性肺疾患のなかでも子宮内で炎症にさらされた児は、早期から肺ののう胞化を来たすなど標準治療の効果が低い。私たちはこれまでに前駆タンパク質転換酵素のfurinの発現低下が病態形成に関わっていることを見出した。そのうえで、炎症をきっかけとした重症化には従来と異なるメカニズムが存在すると考え、炎症を鎮静化・収束させる機能がわかってきた肺胞マクロファージが関わっていると仮説を立てるに至った。本研究の目的は、肺胞マクロファージが慢性肺疾患の重症化に関わる分子機構を、その炎症調節機能に焦点を当てて明らかにすることである。そして肺胞マクロファージを治療ターゲットとする新規治療戦略を確立する。
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研究実績の概要 |
本年度は、前駆体蛋白変換酵素のfurinが活性化を調節しているインスリン様成長因子受容体の制御を通じて、慢性肺疾患の病態形成に関与していることを、高濃度酸素暴露慢性肺疾患モデルマウスを用いて示した結果を学術誌への掲載を通じて公表することができた(Kato S. et al. Biomolecules 2023, 13, 1656.)。また、2024年度の米国小児科学会においてもこの成果を発表する機会を得ることができ、発表の準備を進めている(PAS meeting 2024 Toronto, Canada)。 重篤な慢性肺疾患に対して使用される、急性期経過後の一酸化窒素吸入療法について、日本新生児成育医学会のワーキンググループメンバーに参画した。直近の20年間に公表された学術論文について、英語・日本語のデータベースを検索してscoping reviewの手法を用いてこれをまとめ、第67回日本新生児成育医学会・学術集会のンポジウム4「急性期以降の一酸化窒素吸入療法(iNO)は、児の予後改善に必要か?」において結果を公表した(加藤晋ら. 急性期以降にiNOを必要とする病態・診断とiNO使用の現在地 - scoping review)。現在学術論文を作成し、投稿の準備を進めている。 一方で主たる業務の所属に変更があり、研究環境に大幅な変化が生じたため、本研究計画を実施するエフォートを十分に確保することができなかった。引き続き共同研究者と緊密な連携を取り研究活動を継続しているが、本研究課題に関する実質的な進捗に滞りが生じた。引き続き慢性肺疾患の病態における肺胞マクロファージが果たす役割について、多面的な評価と解析を通じて、科学的知見を積み上げられるよう検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は主たる業務の所属に変更があり、研究環境に大幅な変化が生じた。引き続き共同研究者と緊密な連携を取り研究活動を継続しているが、本研究課題に関する実質的な進捗に滞りが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
現在動物実験が停止しており、来年度において計画通りの研究を実施することが困難な状況となっている。しかしながら、ここまで実施してきた実験試料と結果をもとにどのような形で一歩でも前に研究を進めることができるかについて、共同研究者と議論を重ねているところである。
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