研究課題/領域番号 |
21K07806
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
東海林 宏道 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (30365621)
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研究分担者 |
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 教授 (30260889)
村野 弥生 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (80771922)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | レニン-アンジオテンシン系 / 早産児 / アンジオテンシノーゲン / 胎児発育不全 / インスリン抵抗性 / レニンアンギオテンシンアルドステロン系 / 生活習慣病 |
研究開始時の研究の概要 |
不良な子宮内環境により胎児発育不全(FGR)を伴って出生した児は、将来の生活習慣病発症リスクとなることがDOHaDとして知られる。一方、重度のFGR児や早産児は就学時まで肥満が少ない。骨格筋はインスリンが作用する主要な臓器で、2型糖尿病患者のインスリン抵抗性に関与する。申請者は、FGRにより骨格筋のインスリンシグナル異常が長期に残存し、肥満を介さない若年期からのインスリン抵抗性の要因になることをラットモデルで検討してきた。本研究はレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系 (RAAS)に着目してFGRにおける骨格筋インスリン抵抗性の機序を解明することが目的である。
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研究実績の概要 |
レニン-アンジオテンシン系(RAS)は、血圧調節や体液恒常性に重要な役割を担っている。アンジオテンシノーゲン(AGT)はRAS経路の基質であり、尿中 AGTは腎 RAS 活性を反映するとされ、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)はRASの腎臓内成分であるが、生後早期の尿中AGTやACE2排泄の報告は少ない。そこで、生後1か月の早産児における尿中AGTとACE2排泄を測定し、正期産児と比較検討した。 【方法】2018年9月~2021年7月に出生し、定期検査で生後1か月時に採尿した早産児を対象とし、別研究で生後1か月時に採尿した正期産児を対照群とした。市販のELISAキットを用いて尿中AGTおよびACE2を測定し、クレアチニン値で補正した。両群の差異をMann-Whitney U testを用いて評価した。 【結果】早産児群22例と対照群23例を比較検討した。在胎週数はそれぞれ29.6±2.5週(中央値±SD)と39.6±0.9週で出生体重は1349±422gと3044±280gであった。尿中AGT/Creは早産児群で2.67±3.27mg/gCrであり、対照群の0.29±0.59mg/gCrと比較して有意に高値であった(p<0.05)、尿中ACE2/Creも早産児群で7.20±20.30pg/gCrと対照群の2.31±4.25pg/gCrと比較して有意に高値であった。 【考察】生後1か月時における早産児の尿中AGTとACE2排泄は高値であり、腎内RASが活性化されている可能性が示唆された。早産出生に伴う腎機能の長期予後と高血圧や生活習慣病との関連が注目されており、尿中AGTやACE2排泄が高リスク群の予測因子となる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胎児発育不全ラットモデルの確立に苦慮し、結果が出せていない。
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今後の研究の推進方策 |
胎児発育不全モデルラットにおけるレニン-アンジオテンシン系の評価を進める。
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