研究課題/領域番号 |
21K07815
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山出 史也 千葉大学, 医学部附属病院, 特任講師 (50636199)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アレルギー / 腸管バリア機能 / バイオマーカー / 新生児 / アレルゲン感作 / 食物アレルギー / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
アレルギー疾患は免疫系の異常とともにバリア機能異常を背景とした疾患であるが、小児アレルギー疾患における腸管バリア機能の影響についてはこれまで明らかになっていない。本研究では、腸管バリア機能に重要な影響を与える腸内細菌叢ならびにバリア機能制御因子との報告があるZonulinなどに焦点をあて、腸管バリア機能とアレルギー疾患との関連を明らかとすることを目的とする。具体的には以下の点を検討する。 ①小児における血清Zonulin値の正常値 ②小児アレルギー疾患のアウトカムに対する腸内細菌叢ならびに血清Zonulinの関連 本研究により小児アレルギー疾患の発症予知さらには新規予防・治療法の確立が期待される。
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研究実績の概要 |
アレルギーハイリスク出生コホート研究(CHIBA study)参加者のうち、5歳までのアレルギー発症に関する情報が確認されており、かつ血清が測定に利用可能な被験者として145人を今回の検討対象とした。 臍帯血Zonulinの、アレルギー疾患発症/アレルゲン感作予測マーカーとしての検討では、ImmuneCAP法で測定した卵白特異的IgEがクラス3以上の高度卵白感作群で、対照群と比較して、有意に臍帯血Zonulin値が有意高いことを明らかとした。さらに、卵白感作に影響する因子を加えた多変量解析でも、臍帯血Zonulin値が、高度卵白感作と関連することを確認した。食物アレルギー発症は、出生コホート研究の特性上、食物経口負荷試験での診断は行っていないため、より診断特異度が高いと考えられる、”鶏卵摂取に伴う即時型症状の既往”という質問への回答にもとづいて検討した。食物アレルギー発症群は非発症群と比較して、臍帯血Zonulin値が有意高いことを明らかとした。なお、発症群の人数が12例と少ないため、多変量解析は行っていない。また鶏卵アレルギー発症群の中でその後鶏卵アレルギーの記載がない児では臍帯血Zonulin値が低い傾向にあった。血清I-FABP値はアウトカムと有意な関連は確認できなかった。 この結果は、腸管バリア機能マーカーである血清Zonulin値が、新生児期に高いことは、食物アレルゲン感作ならびに食物アレルギー発症リスクとなる可能性を示す結果である。 食物アレルギー患者は増加傾向であり、患者・家族のQOLに大きな影響を与えることから、現在、出生時あるいは生後早期に指摘可能な食物アレルギー発症リスク因子の検討が世界が進められているが、今回の結果は新規な情報であり、また、血清zonulinは腸管バリア機能マーカーと考えられているため、発症メカニズムについても関連を示唆する重要な知見である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度研究計画では、① アレルギー疾患発症予測マーカーとしてのZO等の有用性を検討する、② アレルギー疾患の予後(寛解等)予測マーカーとしてのZO等の有用性を検討する、としていた。 令和4年度の研究実績で記載したように、ほぼ計画通り測定が進んでおり、おおむね順調に進展していると考えられる
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度においては、① アレルギー疾患発症群(アトピー性皮膚炎等)について、7歳時点で寛解群、非寛解群の、5歳時点での血清Zonulin値の解析を行い、アレルギー疾患予後予測マーカーとしての血清Zonulin値の有用性を検討する。② 腸内細菌叢解析データと、これまでに本研究で得られた知見について統合データ解析を行う予定としている。
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