研究課題/領域番号 |
21K07818
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
森宗 孝夫 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50895539)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 黄疸 / ビリルビン / 生理的黄疸 / 核黄疸 / 酸化ストレス / ROS / UGT1A1 |
研究開始時の研究の概要 |
新生児期に一過性に生じる生理的高ビリルビン血症(生理的黄疸)は霊長類のみ持つ生理現象である。ビリルビンは酸化ストレスに対応する強力なラジカルスカベンジャーであると同時に一定の高値となると神経毒性を有する分子である。しかし、神経毒性として脳障害を呈する核黄疸とは異なり、生理的黄疸の生体脳への影響は十分に解明されていない。本研究では、生後一過性に黄疸を引き起こす遺伝子改変マウスに対し、トランスクリプトーム解析・組織解析などを組み合わせることで生理的黄疸時の生体脳で起こる分子機構を解明する。
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研究実績の概要 |
前年度供与を受けたhUGTマウスの核黄疸発症率が本来の頻度(約20%)より多くなり約70-80%に及ぶことが判明した。現時点までの論文発表で示されているものよりも頻度が多いため、脳検体のRNA-seqまでに原因となる環境因子を解明することが望まれたが、環境因子中に明らかに異なる条件は見出せなかった。核黄疸を起こすか否かについては血中のビリルビン値に依存するため、関係あるものの中で紫外線の照射が挙げられるが、飼育環境が他研究と大きく違いはないことから否定的であった。このため、本来解明したい核黄疸を起こさずビリルビン値のみが上昇するマウスのみを継代で増加させることが依然十分でなく、同時期にRNA-seqできる検体数が確保できないため、マウスの継代が安定するまでの間、他の実験が可能かどうかの検証も併せて行なった。これは人間の核黄疸ではMRIでの画像変化が乏しいと言われており、マウスの核黄疸でこれらが認められるかを検証するものである。当施設での動物実験用MRIにおいて実験可能かどうかの検証と、コイルの作成を行なった。次年度に向けてマウスの仔数の確保ができたためRNA-seqでの検体提出を行う予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
マウスの安定した継代に時間がかかってしまった。また前述のように核黄疸をきたすマウスが論文に記載されていた以上であり、原因究明を行うためにも時間を要してしまった。これらの要因により本来すべき実験が遅れてしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
RNA-seqの施行が遅れているが、仔数の確保ができてきているため提出を予定している。また、脳組織の提出部位を限定させ、発現遺伝子量に変化が生じていることが確認できれば、single cell 解析を導入することも考慮している。脳組織検体(組織像確認目的)の確保はできており、RNA-seqの結果次第で免疫組織化学染色を順次行なっていく予定である。
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