研究課題/領域番号 |
21K07831
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
李 知子 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10596042)
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研究分担者 |
下村 英毅 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30441273)
竹島 泰弘 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40281141)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | デュシェンヌ型筋ジストロフィー / エクソンスキッピング治療 / スプライシング / イントロン内スプライシング制御配列 / アンチセンスオリゴヌクレオチド |
研究開始時の研究の概要 |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対するエクソンスキッピング誘導治療の開発が進んでいるが、症例によって効果が異なる可能性が指摘され、臨床応用における課題となっている。本研究では、欠失断端部周辺の残存イントロン領域を迅速に解析するシステムを構築し、残存イントロン領域とエクソンスキッピング誘導治療効果との関連を明らかにする。
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研究実績の概要 |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対し、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS-oligo)により遺伝子欠失領域に隣接するエクソンスキッピングを誘導し遺伝情報を修正する根治治療が2020年本邦において承認された。しかし、これまでの治験結果から症例によって効果が異なる可能性が指摘されており、臨床応用における課題となっている。そのため、症例ごとの治療効果の差に影響する要因を明らかにし、事前に治療効果を予測できるシステムの構築が不可欠である。我々は、同じエクソン欠失であってもイントロン内の欠失断端は症例ごとに異なり、残存イントロン配列がAS-oligoによるエクソンスキッピング誘導効率に影響する可能性に着想した。我々の施設においてエクソン53スキッピングを誘導するAS-oligoであるビルトラルセンによる治療を実施しているDMD患者において、ジストロフィン遺伝子の欠失エクソン断端近傍の残存イントロン配列、エクソンスキッピング誘導効率、および臨床的なエクソンスキッピング誘導治療効果を検討した。6症例において約3年間の運動機能、心機能、呼吸機能等について検討し、臨床的な治療効果は症例により差異を認めることが明らかになった。欠失断端近傍イントロン配列、エクソンスキッピング誘導効率との関連性についても検討中である。欠失断端部周辺の残存イントロン領域を迅速に解析するシステムを構築するため、さらに研究を継続予定である。本研究の成果は、本治療法の有効性を事前評価し治療反応性に応じた個別化医療を推進するとともに、本治療の有効性に関与する分子機構を解明しDMD治療のさらなる開発を推進するものとなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ジストロフィン遺伝子の欠失エクソン断端近傍のイントロン配列解析に予想よりも時間を要している。エクソンスキッピング誘導効率を判定するためmRNA解析を実施しているが、従来の系では解析が難しいため工夫しながら検討を進めている。これらの理由により時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
より効率的な残存イントロン配列の解析系を構築し、症例ごとのエクソンスキッピング誘導効率および臨床的なエクソンスキッピング誘導治療効果の予測に応用することを目指す。エクソンスキッピング誘導治療効果に関連するイントロン配列について、in vitro スプライシング解析においても検証を追加する。本研究を1年延長しているため、ビルトラルセン治療のリアルワールドデータの症例数や経過年数を拡大して検討し、治療反応性に応じた個別化医療の推進や本治療の有効性に関与する分子機構の解明を推進する。
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