研究課題/領域番号 |
21K07834
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
桑原 絵里加 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児慢性特定疾病情報室, (非)研究員 (80713164)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 慢性疾患 / 小児 / 死亡率 / 推移 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、医療の向上によって慢性疾患の小児死亡率は改善している一方で、慢性疾患を抱えながら成長する小児は増加している可能性があり、支援体制の整備は喫緊の課題である。しかし、充分な支援体制が整っているとは言えない現状にある。そこで、小児慢性特定疾病対策における医療意見書電子化データから得られる慢性疾患患児の臨床症状や治療内容などを横断的、縦断的に分析することにより、適切な支援体制の整備に必要な臨床状況を明らかにしたいと考えている。
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研究実績の概要 |
本研究は、長期生存が可能となった小児の慢性疾患の状況変化の分析により、自立のために必要な支援体制の根拠を明らかにするものである。研究の目的は、1.慢性疾患を有する子どもの死亡率の算出方法を確立すること、2.慢性疾患を有する子どもの死亡率の変遷を明らかにすること、3.死亡率の改善した疾患における臨床状況の変化の分析により、必要な支援を明らかにすることの3点である。 2021年度、2022年度において、主に目的1、2を中心に研究を行った。ICDコードで分類されている人口動態統計の死因より、海外の文献と我が国の実情を鑑みて、慢性疾患と一般的に認識される疾患を同定、抽出した。過去50年分のデータから、小児の慢性疾患の死亡率は、全体の概要の推移を把握することが可能であった。一方で、ICDコードの改訂や診断のつかなかった疾患がつくようになったなどの変化がみられ、単純に50年分を比較することはできなかった。 このため、本年度は、ICD10コードの使用されている期間に絞って詳細なコードすなわち基本分類を用いて分析することとした。6000以上にのぼるICD10コードの基本分類を慢性疾患、非慢性疾患に分類した。厚生労働省より公表されている27年分の人口動態データのうち、一部電子化されていなかったデータを電子化し、分析したその結果、先天性心疾患、悪性新生物でも、特に複雑な先天性心疾患や急性白血病における死亡率の低下が著明であることが判明した。一方で、中枢神経系の腫瘍やトリソミーの死亡率が増加していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小児の慢性疾患の分類方法や、分類に基づいた死亡率の推移は論文化している最中である。また、先天性心疾患の小児慢性特定疾病対策医療意見書データから臨床状況を明らかにする分析は、医療意見書データの申請中である。データ到着次第、分析に取り掛かる予定である。現在、3つの研究目的の3に取り掛かり始めており、おおむね順調な進展と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、論文化している小児の慢性疾患の分類方法や、分類に基づいた死亡率の推移を完結させる予定である。また、先天性心疾患の小児慢性特定疾病対策医療意見書データから臨床状況は、医療意見書データが到着次第、分析に取り掛かる予定である。さらに可能であれば、死亡率分析の範囲を進展させて、より長期の死亡率推移の分析を行いたい。
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