研究課題/領域番号 |
21K07836
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
長森 恒久 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40400098)
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研究分担者 |
吉田 陽一郎 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (80750306)
石羽澤 映美 旭川医科大学, 大学病院, 病院助教 (90516402)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | SIFD / TRNT1 / 小胞体ストレス / B細胞性免疫不全 / 自己炎症性疾患 / 形質細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
まれな遺伝性疾患であるSideroblastic anemia with Bcell immunodeficiency, fevers, and developmental delay (SIFD)において、原因遺伝子TRNT1の機能解析により、実際の患者さんでみた進行性のB細胞免疫不全、自己炎症性疾患がなぜ起こったのかを明らかにする。 仮説として「小胞体ストレス」が関わっていると考えており、それを証明する。また、リンパ球のうちなぜB細胞だけが強く障害されたのかも謎である。細胞種毎のTRNT1機能低下の影響の強さを比較しその理由を探る。 メカニズムの詳細解明から、新規治療法開発につなげていきたい。
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研究成果の概要 |
研究期間全体では①患者細胞ではTRNT1蛋白は健常と同じサイズで発現低下する事、これは不安定性によりプロテアソームで恒常的分解を受けている為とわかった。②患者線維芽細胞では、健常に比して薬剤誘導小胞体ストレスの亢進をみた。③不死化線維芽細胞におけるTRNT1siRNAノックダウンでは、同様に小胞体ストレス亢進を認め、またケミカルシャペロンである4-フェニル酪酸により解除を受ける事を見た。④マウスマクロファージ系のRaw細胞でTRNT1ノックダウンするとTNF産生の亢進とNF-kBシグナルの亢進を見た。 上記から、SIFDでは小胞体ストレス反応亢進が起こり、これが病状に関わる可能性が高まった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SIFDは最近発見された希少疾患であり、病態の解明が十分になされていない。本研究でTRNT1機能低下を示す異なる条件で共通して見られた小胞体ストレス亢進は、tRNAアミノアシル化に係る酵素の機能喪失の結果を詳細解明する点で学術的な意義があるのはもちろんだが、本疾患は臨床的に35%が早期死亡する予後不良の疾患である。骨髄移植は合併症により成績も悪く、現状は多彩な症候に対する対症療法を行うしか解決方法は無い。しかし本研究の知見は、ケミカルシャペロン作用のある薬剤を投与する事で、病気の進行を抑制できる可能性を示している。明らかに新規治療法開発に貢献する知見である。
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