研究課題/領域番号 |
21K07838
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小関 道夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60444303)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | リンパ管腫症 / 小児 / PIK3CA |
研究開始時の研究の概要 |
カポジ型リンパ管腫症(Kaposiform lymphangiomatosis: KLA)は全身にリンパ管組織が増殖する進行性の希少難治性疾患であるリンパ管腫症の中で、特に予後の不良なタイプを指し、原因が不明であるだけでなく、有効な治療法も確立されていない。近年、KLAの病変部位より、血管・リンパ管新生に重要な経路である「PIK3/RASシグナル」の遺伝子変異が検出されたが、その遺伝子異常がどのようにKLAの臨床像を引き起こすかどうかは不明である。本研究課題では、これらのシグナル伝達経路に着目し、KLAの病態を解明し、その経路に対する分子標的薬の治療効果を検証する。
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研究実績の概要 |
カポジ型リンパ管腫症(Kaposiform lymphangiomatosis: KLA)は全身にリンパ管組織が増殖する進行性の希少難治性疾患であるリンパ管腫症で、近年、KLAの病変部位より、血管・リンパ管新生に重要な経路である「PIK3/RASシグナル」の遺伝子変異が検出されたが、その遺伝子異常がどのようにKLAの臨床像を引き起こすかどうかは不明である。本研究課題では、これらのシグナル伝達経路に着目し、KLAの病態を解明し、その経路に対する分子標的薬の治療効果を検証する。今回、KRAS(Q61R)遺伝子変異のcDNAをプラスミドに挿入し、そのプラスミドをNucleofectorを用いて、ヒトリンパ管内皮細胞に遺伝子導入して、KRAS Q61R変異を発現させたリンパ管内皮細胞を作成した。これらの細胞において、MTT assayによる細胞増殖能、Real-time PCRやウエスタンブロットによるRAS/MAPK経路に関係する遺伝子発現や蛋白発現(RAS, MEK, ERKなど)、Pit formation assayによる骨吸収能、RAS/MAPK経路を標的とした阻害剤による効果などを測定し、細胞生物学的、分子生物学的に解析した。本結果については論文作成し、現在投稿中である。また、KRAS Q61R変異をリンパ管内皮細胞に発現させたトランスジェニックマウスを作製するため、CAGプロモーター下にLoxP―STOP―LoxP(LSL)を介して KRAS(Q61R)cDNAと、この変異をもつ細胞を追跡できるGFP cDNAを配置した遺伝子断片を生殖細胞に導入したマウスを作製した(LSL-KRAS Q61R-GFPマウス)。現在、本マウスを用い、解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に患者由来細胞を用いた研究結果を国際誌に報告している(Single-cell analysis of kaposiform lymphangiomatosis tissue derived cells, PBC 2021)。また本疾患で頻度の高いNRAS Q61R遺伝子変異を導入した細胞の解析結果もまとめ、論文を投稿中である。またモデルマウスの作製も順調である。
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今後の研究の推進方策 |
投稿論文で用いた遺伝子以外に、同疾患で検出されている遺伝子(KRAS、PIK3CA)変異も今後用いて解析をしたい。またモデルマウスの解析を完成させ、論文を今年度中に投稿する。
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