研究課題/領域番号 |
21K07839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東北大学 (2022) 三重大学 (2021) |
研究代表者 |
松田 直 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (50361100)
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研究分担者 |
齋藤 昌利 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00451584)
埴田 卓志 東北大学, 大学病院, 講師 (30400360)
佐藤 信一 東北大学, 大学病院, 助手 (30770359)
池田 秀之 東北大学, 大学病院, 助手 (40822888)
渡邊 真平 東北大学, 大学病院, 助教 (70509413)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヒツジ / 皮質形成異常 / サブプレート / subplate / 胎児 / サブプレート層 / 神経発達症 / 子宮内炎症 / 低酸素逝去血 |
研究開始時の研究の概要 |
極低出生体重児 (出生体重 <1,500 g) の長期予後に影響する中枢神経系障害の臨床像はこの20年間で大きく変容し,その本態は組織損傷から成長障害へと移行している.本研究はこれまで臨床的意義が明らかでなかった胎生期の脳subplate層に焦点を当て,炎症と虚血ストレスがsubplate層に髄鞘化の過成熟反応を誘導することを,ヒツジ胎仔を用いた動物実験で組織病理学,画像診断学,電気生理学的な解析によって証明する.同時にsubplate層の髄鞘化障害が脳回形成を変化させるかどうかも検証する.本研究は極低出生体重児のみならず早産児全体の中枢神経系合併症を減少させ,その長期予後を改善するための橋渡し的基礎研究に位置付けられる.
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研究実績の概要 |
本研究は胎生期の脳subplate層に焦点を当て,炎症と虚血ストレスがsubplate層に髄鞘化の過成熟反応を誘導することを,ヒツジ胎仔を用いた動物実験で組織病理学,画像診断学,電気生理学的な解析によって証明する.同時にsubplate層の髄鞘化障害が脳回形成を変化させるかどうかも検証する. 実験前にヒツジ胎仔を対照群,炎症群,低酸素群に分ける.妊娠95日に胎仔の頚動脈,羊水腔内にカテーテルを,胎仔の側頭皮下に脳波電極を留置する.またその際に低酸素群の胎仔のみ,臍帯動脈を1本結紮し,その後に胎仔を子宮内に戻して閉腹する.以後は胎仔動脈圧,羊水内圧,脳波を連続監視する.また24時間毎に動脈血血液ガス分析を行い,3群の動脈血酸素分圧,血中乳酸値を比較する.炎症群の母獣には,妊娠99日にリポポリサッカロイド 5 mgを羊水内に注入し,子宮内炎症を誘発する.妊娠105日に胎仔を剖検に供し,脳を灌流固定する.後日固定された脳はMRIを用いて検索する.またびまん性脳白質損傷とsubplate層の髄鞘化はグリア特異抗体 (NG2,O4,CNPase,PLP,GFAP) による免疫染色にLEA染色とTUNEL染色を加えて診断する.これらの結果から脳波解析においてsubplate層に特異的とされるdelta brushの異常と組織学的なsubplate層の細胞群の損傷と皮質形成異常の関連を統計学的に解析する. 令和3年度は羊水中でのノイズ対策と測定精度の向上のため,皮下埋込部分での電位増幅が可能な機器を選定して胎児脳波の測定を試みた.delta brushを検出可能かどうか解析中である. 令和4年度は前述のノイズ対策を行い,対照群2例の実験を実施した.しかしdelta brushの検出は困難であった.その後は脳波での連続監視を中止して炎症群2例を実施し,剖検により脳検体を採取した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はdelta brushの検出を可能にし,対照群,炎症群,低酸素群それぞれ2頭からデータを採取する予定であった.羊水中でのノイズ対策を加えることで胎児脳波の検出は可能になったが,delta brushの検出は困難であった.予定通りの受胎が得られなかったため,脳検体を採取できたのは4例であった.
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今後の研究の推進方策 |
羊水中でのノイズ対策を加えることで胎児脳波の検出は可能になったが,delta brushの検出は困難であった.今年度は脳波の連続監視は中止するが,3群それぞれのデータを収集し組織学的にsubplate層の解析を実施する.
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