研究課題/領域番号 |
21K07844
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
大西 新 島根大学, 医学部, 客員教授 (00507014)
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研究分担者 |
横田 茂文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (50294369)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ビリルビン代謝 / BIND / セロトニン / 脳神経障害 / ADHD / 統合失調症 / 核黄疸 / ビリルビン / セロトニン伝達 / 新生児黄疸 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、核黄疸を起こさない程度のビリルビン代謝異常であっても脳神経発達に障害を与え様々な精神神経疾患の原因になると考えられており、Bilirubin Induced Neurological Disorder; BINDという新たな疾病概念が提唱されている。しかしながらBINDの病態生理は未だ不明な点が多い。本研究では、薬理学的手法及び特定の神経回路にのみに介入することのできる化学遺伝学的研究手法によってGunn ratのセロトニン神経回路に直接介入し、行動障害を引き起こす神経回路障害メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
核黄疸を起こさない程度のビリルビン代謝異常であっても脳神経発達に障害を与え、幼児期から思春期後期にADHDや統合失調症などの精神疾患を発症するリスクが上昇することが、疫学研究で示唆されている。しかしながら、その病態生理が不明であるため、有効な治療法が確立していない。そこで本研究では、BINDモデル動物(Gunn rat)における脳機能障害を詳細に解析し、治療薬候補の探索を行った。その結果、Gunn ratの認知行動障害の背景にはセロトニンの過剰伝達という生理学的脳機能障害があることを明らかにし、この障害メカニズムに基づきエルトプラジンが当該疾患に奏功する可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軽度のビリルビン代謝異常によって引き起こされる脳神経障害(BIND)について不明である点が多いため、有効な治療法が確立していない。更にBINDを引き起こす遺伝子異常が日本人において多いと推定されている。本研究で、このビリルビン代謝障害によって脳内セロトニン伝達障害が起こることをモデル動物で明らかにし、エルトプラジンという低分子化合物が当該脳神経障害の治療薬になる可能性を示した。エルトプラジンはヒトでの安全性が確認されている化合物であることから臨床応用が期待される。
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