研究課題/領域番号 |
21K07852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
川村 順平 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70838656)
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研究分担者 |
上野 健太郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (20644892)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肺動静脈瘻 / グレン手術 / 低酸素血症 / 先天性心疾患 / miRNA / HIF 1-α / VEGF / PHLPP2 / micro RNA / Glenn手術 / HGF |
研究開始時の研究の概要 |
私たちのin vitroの研究ではGlenn手術後と Fontan手術後の患者血清を用いて血管内皮細胞を刺激したところ、前者では血管新生が増加し、後者では血管新生が抑制されることを明らかにした。また前者と後者における肺動脈血 中の血清サイトカインを比較したところ、前者は後者と比較して肝細胞増殖因子 (Hepatocyte growth factor: HGF) が少なく、環境中の酸素濃度に影響されないことを見出だした。このこ とからGlenn術後のPAVF発症にHGFや肝静脈由来のmiRNAのような抑制因子が関与している可能性に着目し、肺動静脈瘻発症の機序であることを明らかにする。
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研究成果の概要 |
肺動静脈瘻を有するグレン後患者(G-PAVM患者)で他の患者より2倍以上高いレベルを示した血清miRNAを選択した。MiR-25-3pは、グレン後群の肺動脈血清において、他の2群(無治療のチアノーゼ性心疾患群、フォンタン後群)よりも有意に発現が上昇した。HMVEC-Lにおけるin vitroの実験で、miR-25-3p mimicをトランスフェクションしたHMVEC-Lでは、PHLPP2の発現が有意に低下し、HIF-1αおよびVEGF-Aの発現レベルは、低酸素刺激後、PHLPP2/Akt/mTORシグナル依存的に上昇し、低酸素条件下でHMVEC-Lの血管新生、増殖、遊走を促進した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺動静脈瘻 (Pulmonary Arteriovenous Malformations: PAVMs) は、低酸素血症を引き起こす致死的な合併症であり、単心室症のGlenn手術後に発生したPAVMs (G-PAVMs) は深刻な問題である。本研究成果で、miR-25-3pがPHLPP2/Akt-mTORシグナルを通じて、血管内皮細胞におけるHIF-1α/VEGF-A発現を亢進させ、G-PAVMsの一因であることを証明した。miR-25-3pを制御することがG-PAVMsの治療へ発展する可能性がある。
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