研究課題/領域番号 |
21K07861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
張田 豊 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10451866)
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研究分担者 |
神田 祥一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60632651)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Fanconi症候群 / HNF4a / 尿細管機能異常症 / 尿細管 / エンドサイトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
HNF4A遺伝子変異は若年発症成人型糖尿病1 (MODY1)を引き起こす。一方でHNF4AのR76W変異では転写活性が低下するHNF4Aの他の変異と異なり小児期よりFanconi症候群を呈する。本研究ではHNF4A R76W変異により制御される特異的な下流シグナルを明らかにすることを目的に、腎尿細管におけるエンドサイトーシス機序の詳細を細胞モデルおよびマウスモデルを用いて解析する。本研究の成果は転写調節による尿細管の機能制御メカニズムを明らかにするものであり、尿細管機能異常症の分子病態の解明につながる。
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研究実績の概要 |
糸球体で濾過された原尿中の様々な物質は腎近位尿細管で再吸収され、このプロセスの破綻はFanconi症候群を引き起こす。転写因子HNF4αをコードするHNF4Aの 遺伝子変異は常染色体優性遺伝疾患である若年発症成人型糖尿病1 (MODY1)の原因になるが、R76W変異では転写活性が低下するHNF4Aの他の変異と異なり小児期よりFanconi症候群を呈する。このことは単純なHNF4αの機能喪失ではなく、R76W変異特異的なターゲット分子の発現変化が背景に存在することを示唆する。 本研究ではR76W変異により制御される特異的な下流シグナルを明らかにし、尿細管機能、特にエンドサイトーシスへどのような作用を及ぼすかを細胞モデルおよびマウスモデルを用いて解析する。 培養細胞モデルを用いてHNF4A R76W変異により特異的に変化する分子を同定した。新規候補のエンドサイトーシスへの関与について、申請者らがすでに確立した細胞モデルを用いて検討している。 また、新規候補分子がエンドサイトーシスに関与する膜受容体と直接あるいは間接的 な相互作用の可能性について検討する。具体的には新規分子と既知の尿細管エンドサイトーシス関連分子の結合を免疫沈降により検討する。またこの分子と結合する分子を質量分析で網羅的に検討し、いくつかの結合蛋白候補を同定した。 さらに候補遺伝子Xのノックアウトマウスを作成し、表現型解析を行った。興味深いことにXのノックアウトマウスで特定の尿細管機能障害が生じることを見出し、そのメカニズムを検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ルシフェラーゼアッセイによりHNF4AのR76W変異で特異的に発現が抑制される下流遺伝子Xを同定した。Xは膜蛋白質であり、近位尿細管に特異的に発現していた。 Xを過剰発現させ共沈する分子を網羅的に質量分析で同定したところ、細胞内での分子のターンオーバーに関与する分子との結合が明らかになった。In vivo におけるXの機能を調べるためにXのノックアウトマウスを作成した。このホモノックアウトマウスはマウスの生存には違いが見られなかったが、特徴的なFanconi症候群(尿細管機能異常)を呈することが明らかになり、腎臓において重要な機能を有することがわかった。 このマウスの腎臓のRNAseqや免疫染色を行い、この表現型のメカニズムと関与しうる分子メカニズムを検討している。 本研究の成果はHNF4aによる尿細管の機能制御メカニズムの一端を明らかにするものであり、尿細管機能異常症の分子病態の解明につながる。
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今後の研究の推進方策 |
Xのノックアウトマウスを用いて尿細管エンドサイトーシスを制御するメカニズムの詳細を解析する。またHNF4A R76W変異患者のサンプルを用いてヒトの疾患発症における役割も検討する。
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