研究課題/領域番号 |
21K07891
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
飯野 哲 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40242854)
|
研究分担者 |
堀口 里美 福井大学, 学術研究院医学系部門, 学術研究員 (00595283)
堀口 和秀 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (20377451)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 消化管 / カハール介在細胞 / 線維芽細胞 / 消化管神経 / コレシストキニン / 平滑筋 / c-Kit / PDGF受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
消化管筋層を構成する主要素である平滑筋細胞、カハール介在細胞、線維芽細胞は全体としてネットワーク構造を作り運動機能を司る。これらの細胞群が層構造として如何に発生形成され、ネットワーク構造としての運動機能系を維持し、炎症病態からの回復時に層構造を再構築するか、について研究を行う。 これら細胞群の発生を司る因子を中心に発生期遺伝子解析や筋層遺伝子データベースを元に解析を行い、平滑筋2層形成、カハール介在細胞ネットワーク維持機構、線維芽細胞の分類を明確化し、細胞および分子シグナルの点から筋層構造維持のメカニズムを明らかとし、腸炎等の病態からの筋層再構築への応用を目指す。
|
研究実績の概要 |
消化管筋層は平滑筋による層構造、カハール介在細胞ICCによる層構造、線維芽細胞による層構造、消化管神経による層構造が見られ、互いの機能的関連により消化管運動などの機能発現をもたらす。消化管運動の機動力は平滑筋細胞であり、消化管神経が直接あるいはカハール介在細胞を介して平滑筋筋収縮を制御する。線維芽細胞も神経情報を受けとり平滑筋運動に関与すると考えられており、神経により支配される3種類の細胞が機能的複合体を形成していると考えられている。 本年度は層構造を構築し維持する細胞群の特性解明に取り組んだ。その成果として結腸におけるカハール介在細胞のうち、粘膜下組織との境界に分布するサブ タイプ(ICC-SM)において特異的にコレシストキニン受容体I型CCK1Rの 発現が見られることを明らかにした。CCK1R特異的抗体を用いた免疫組織化学法によりc-Kitを発現するICC-SMにCCK1R発現が 観察され、一方平滑筋細胞や線維芽細胞には観察されなかった。結腸には筋層間にICC-MY、筋層内にICC-IMが分布するが、これらはCCK1Rを発現しなかった。消化管全体を考えると十二指腸起始部においてカハール介在細胞と平滑筋細胞の一部にCCK1Rが発現していることが知られるが、結腸ICC-SMにおける発現は我々の知見が初めてである。結腸ICC-SMは筋層最内層に1層のネットワークを形成する層特異性を持ち、結腸運動のペースメーカーとして働く。今回の成果はコレシストキニンが結腸運動にICC-SMを介して関与することを示している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コレシストキニン受容体I型CCK1Rの発現が結腸筋層の特異的層構造において明らかにすることが出来た。現在、新たな研究者との共同研究を含め、研究の推進に取り組んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
結腸におけるカハール介在細胞に、コレシストキニン受容体の発現が明らかとなったことをうけ、発生時における発現変化や層構築との関連について、c-Kit発現トランスジェニックマウスを用いて研究を進める。
|