研究課題/領域番号 |
21K07897
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
渡邊 丈久 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (20634843)
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研究分担者 |
田中 靖人 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (90336694)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | HBV / cccDNA / エピゲノム / エンハンサー / 遺伝子型 / B型肝炎ウイルス / エピジェネティックス |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)感染の慢性化・持続化・再活性化が生じる原因の一つは、肝細胞の核内に安定体として存在するHBV-cccDNAが原因である。これは現在の治療法では排除は困難である。一方、cccDNAはHBVの複製に必要な転写が活性化している状態と不活性の状態があることが分かっており、これにはエピゲノムが関与している。本研究は新規エピゲノム解析技術および病状・性質の異なるHBV遺伝子型株を用いHBV-cccDNAを解析し、cccDNAの不活性状態維持に必要な機序を解析する。最終的に薬剤スクリーニングの系を樹立することで、cccDNA に対する新規薬剤の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
HBV感染HepG2-NTCP細胞におけるcccDNAエピゲノムマップを作成し、S遺伝子の近傍にエンハンサーを表すエピゲノム修飾を持つ新規の制御配列(Regulatory Element;RE)候補を見出し実際にエンハンサー活性を持つことを確認した。同配列は既報のHBVエンハンサーであるEnh I, Enh II, GREとは異なる新規の転写制御配列であり、S遺伝子の発現に関与する可能性が示唆された。また、遺伝子型間で活性が異なり遺伝子型間の病態の差異に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は一度感染すると半永久的に肝細胞内に残存するHBV-cccDNAの転写活性化に関与するあらたな制御配列候補を見出し、エンハンサー活性を持つことを確認した。この制御配列はHBVの慢性感染や肝発癌などの病態に重要であるにもかかわらず制御機序が分かっていないS遺伝子の制御に関与する可能性が高い。また、HBV再活性化やHBV遺伝子型によるB型肝炎の病態の違いなど、HBV診療における未解決の問題の解決につながる可能性が考えられた。
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