研究課題/領域番号 |
21K07902
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
飯島 尋子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80289066)
|
研究分担者 |
矢野 博久 久留米大学, 医学部, 教授 (40220206)
波多野 悦朗 京都大学, 医学研究科, 教授 (80359801)
山口 匡 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (40334172)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | NASH / 超音波減衰法 / 肝線維化 / 肝発癌 / 超音波エラストグラフィ / アルコール性脂肪肝炎(NASH) / dispersion slope / 超音波顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪肝疾患は世界的に患者数が著増している。非侵襲的診断法の開発は喫緊の課題である。 超音波エラストグラフィは肝線維化診断に、脂肪減衰法は脂肪肝の定量的評価に用いられるが、確定診断には侵襲的な肝生検による組織診断が必須である。 そこで、超音波エラストグラフィでの肝線維化診断、脂肪定量、組織の粘性を反映しているイメージングバイオマーカーのひとつであるdispersion slope (DS)などの分析を行う。さらに超音波顕微鏡を用いた脂肪細胞内成分の分析を行い、超音波による解析手法がNASHの非侵襲的診断法になり得るかどうかを検討する。
|
研究実績の概要 |
超音波レオロジー理論を用いた脂肪性肝障害の病態解明と非侵襲的組織診断法の確立に関する研究は、脂肪肝とNASHの鑑別を明らかにした。しかし進行したNASHでは脂肪化が減少し線維化が進行するためその判断は困難であることが課題となっている。 単純性脂肪肝とNASHの鑑別は炎症の程度により脂肪肝の診断は既存の方法による組織診断をスタンダードに検討しているが、近年MRI PDFFの使用が可能となったため、現在組織ならびにMRIでの診断で症例を蓄積し解析している。レオロジーに基づき超音波で肝臓の粘性を反映するDispersion Imagingを用いて炎症の程度と脂肪化の解析を行うため国内多施設で症例を蓄積した。現在データの解析中で論文化を行う予定。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脂肪肝およびNASH診断の為の超音波診断と組織診断法と検討は順調に症例を蓄積し。 肝生検と同時に超音波減衰法による肝脂肪化診断(Attenuation imaging; ATI)を施行した328人(女性/男性;196/132例、年齢中央値61歳、背景肝 HBV/HCV/nonBnonC: 72/77/179例)を対象とし脂肪化と線維化の関係を検討し論文化を行った。現在はMRI PDFFとガイドラインにある既存の方法であるフィブロスキャンのCAPとの関係を検討中である。さらに残り1年で脂肪化の程度と脂肪成分の検討から次年度以降の発癌との関連に繋げていきたい。さらに肝臓の粘性を反映するDispersion ImagingによるNASHのgradeの診断の検討を行っており新規の研究に繋げる。
|
今後の研究の推進方策 |
Shear Wave speedは粘性と弾性の2つの要素がある。現状の超音波Elastographyにおける弾性率(kPa)は粘性率を無視しているためヤング率E(kPa)に変換して出力されることになる。レオロジー力学モデルでは粘性率が0の場合、Shear Wave speedは周波数によらず一定であるが粘性率を上げていくと傾きも大きくなる。この理論が肝臓の線維化と炎症の程度に応用出来れば線維化の進行したNASHと炎症の程度の強いNASHの診断が可能となると考えている。2023年度はすでに蓄積したデータの解析および粘性に着目した診断を行う。
|