研究課題/領域番号 |
21K07918
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上村 修司 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 准教授 (60448561)
|
研究分担者 |
熊谷 公太郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (80626664)
田中 啓仁 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (90896127)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | ディフェンシン / コピー数多型 / 炎症性腸疾患 / alpha defensin / 潰瘍性大腸炎 |
研究開始時の研究の概要 |
自己免疫疾患の発症においてDefensin alpha(DEFA)1-3のコピー数多型(CNV)が注目されている。本研究では,DEFA-CNVsと潰瘍性大腸炎の発症や重症化との関連を明らかにし,さらにDEFA1-3がコードする好中球ペプチドの腸管炎症への影響を解明する。本研究の成果は潰瘍性大腸炎の重症化の解明に寄与すると考えられる。
|
研究実績の概要 |
Defensin alpha (DEFA)1-3のコピー数多型(copy number variations: CNVs)が自己免疫疾患の発症リスクに関与していると報告されているが,DEFA1A3-CNVsと潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis: UC)との関連は不明のままである。本研究ではUC患者の末梢血単核球からDNAを抽出した後に,DEFA1A3-CNVsを測定し,UCの臨床的重症度との相関性を検討した。UC患者のDEFA1A3-CNVsは,3-16と幅広いコピー数を示しており,高コピー数(9以上)群は,低コピー数(8未満)群と比較し,高活動性を示した症例が多かった。また,多変量解析ではDEFA1A3高コピー数が重症化を判定する独立した因子として示された。このことから,DEFA1A3-CNVsは,UCの重症度予測マーカーや治療予測マーカーとなる可能性が考えられた。また,高DEFA1A3コピー数患者はヒト好中球ペプチド(HNPs)の高い分泌能を有しており,炎症エフェクター分子であるHNPsが腸管の炎症進展に深く関わっている可能性が示唆された。DEFA1A3/HNPsトランスジェニック(Tg)マウスを用い,実験腸炎を誘導したが,DEFA1A3高発現マウスにおいて腸炎活動性が高い傾向にあった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DEFA1A3-CNVと炎症性腸疾患に関連性を解明する臨床研究の解析は終了した。DEFA1A3/HNPs-Tgマウスも完成し,それぞれのマウスのコピー数の検証も実施している。腸炎を誘導したマウスでも,現在DEFA1A3/HNPs-CNVコピー数と疾患活動性に相関があることも確認できた。しかしながら,HNPsタンパク質発現とコピー数の相関が認められず,原因解明中である。動物実験において,研究テーマのロードマップから若干遅れており,上記区分と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
DEFA1A3/HNPs-Tgマウスは三系統作成できたが,いずれの系統もコピー数に関わらずHNPsタンパク質発現濃度が低く,機能解析が十分にできていない。外来HNPsを注入し,腸炎活動性の再評価や腸管サイトカイン発現量の解析を継続していく予定である。
|