研究課題/領域番号 |
21K07919
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
林 優希 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30892624)
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研究分担者 |
仲瀬 裕志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60362498)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / クローン病 / RalGAPa2 / Crohn’s disease / NLRP3 / Paneth cell / organoid |
研究開始時の研究の概要 |
本邦におけるクローン病(CD)患者数は4万人を超えているが,原因は未だ不明であり,根治治療は存在しない.我々はこれまでに,低分子量GTP蛋白質Ralの活性化が,NLRP3inflammasome を介した大腸炎及び炎症性大腸発癌に重要であることを報告した.予備検討では,小腸炎におけるRalの活性化が確認されており,RalがCDの小腸炎と関連していると考えられる.CDの原因の1つとして,小腸Paneth 細胞が注目されているが,Ral活性化とPaneth細胞の関連性についてはこれまでに報告がない. 本研究では,Ral活性化のPaneth細胞機能における役割を解析するで,CDの病態解明に取り組む.
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研究実績の概要 |
本邦におけるクローン病 (Crohn’s disease: CD) 患者数は増加の一途をたどっているが,疾患の原因は未だ明らかとなっておらず,根治的な治療法は存在しない.申請者の研究室ではこれまでに,大腸上皮における低分子量GTP蛋白質Ralの活性化が,NLRP3 inflammasomeを介した大腸炎及び炎症性大腸発癌(colitisassociated cancer: CAC) に極めて重要であることを報告してきた.さらに,申請者が行った予備検討で,小腸炎症においてもRalの活性化が確認されていることから,RalがCDの小腸病変とも関連している可能性が高いと考え.一方,CD発症の原因の一つとして腸管免疫機構の破綻が考えられており,中でも小腸粘膜免疫におけるPaneth 細胞の役割が注目されている.本研究では,Ral活性化のPaneth細胞機能における役割を解析することにより,CDの病態解明に取り組む. 令和3年度と令和4年度は,SAMP1/YitFcマウスの繁殖,SAMP1/YitFc × RalGAPa2 KOマウス,SAMP1/YitFc × RalGAPa2 KO × NLRP3 KOマウスの作成とphenotypeの同定を遂行中であるが,SAMP1/YitFcマウスの十分な繁殖が得られていない.当施設におけるSAMP1/YitFcマウスの繁殖条件を模索中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度に引き続き,令和5年度は当施設におけるSAMP1/YitFcマウスの繁殖条件を模索中したが,未だ繁殖が不十分でありIn vivo,In vitroでの実験に用いる頭数のマウスが得られていない.
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今後の研究の推進方策 |
SAMP1/YitFcの繁殖に並行して,SAMP1/YitFc自然腸炎発症モデル以外の炎症モデルを用いて,RalGAPa2 KOマウスとRalGAPa2 KO × NLRP3 KOマウスにおける小腸組織の腸炎やα-defensinの発現の差異,腸内細菌叢の解析,糞便中α-defensin定量を検討中である.またSAMP1/YitFcマウスから樹立したオルガノイドを用いて,RalGAPa2またはNLRP3 shRNAによる遺伝子発現を低下させる実験を検討中である.
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