研究課題/領域番号 |
21K07922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
池嶋 健一 順天堂大学, 医学部, 教授 (20317382)
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研究分担者 |
今 一義 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30398672)
山科 俊平 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (30338412)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 代謝障害性脂肪性肝疾患(MAFLD) / メタボリックシンドローム / 非アルコール性脂肪肝炎(NASH) / 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) / サイトカイン・ストーム / リポポリサッカライド(LPS) / エンドトキシン・ショック / 細胞死 / 代謝性障害性脂肪肝疾患(MAFLD) / 非アルコール性脂肪肝炎(NASH) / COVID-19 / 腸内細菌叢 / 腸肝相関 / 自然免疫 / サイトカインストーム / 日本食 |
研究開始時の研究の概要 |
メタボリックシンドロームに伴う代謝障害性脂肪性肝疾患(MAFLD)は新型コロナウイルスCOVID-19感染症の予後不良因子でもある。本研究では、MAFLDにおける腸内マイクロバイオームの変化と腸管透過性亢進に伴う肝内自然免疫応答の変化が、サイトカインストーム誘発に寄与していることを明らかにする。さらに、日本食を中心とした栄養介入によるMAFLDの肝病態改善効果および免疫制御機転を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、メタボリックシンドロームと関連の深い代謝障害性脂肪性肝疾患(MAFLD)の肝病態進展メカニズム解析に加えて、COVID-19など多くの急性疾患の予後に深く関与するサイトカイン・ストームの発生に与える影響を解明することを目的としている。前年度より、メタボリックシンドロームのモデル動物であるKK-Ayマウスでは高脂肪食(HFD)負荷によりエンドトキシン(LPS)肝障害が増悪し、致死率も有意に高まることを明らかにしてきた。そこで今年度はKK-AyマウスにおけるLPS投与後の肝内サイトカイン発現動態について検証した。肝内のTNFαおよびIL-1βmRNA発現はLPS投与1時間後をピークに上昇するが、HFD摂餌KK-Ayマウスではそのピーク値が有意に高値になることが判明した。LPS投与後に生じる肝組織中のF4/80陽性マクロファージの集積が高脂肪食摂餌群でより顕著であり、肝内CXCL2およびCXCL10などのケモカイン発現亢進も認められた。これらの事象より、サイトカイン・ストームの惹起がLPS肝障害増悪および致死率上昇に関与していることが確認された。さらに、LPS感受性亢進の成因として、HFD摂餌KK-AyマウスではLPS投与前から肝組織中のCD14発現亢進およびLPS-binding protein(LBP)mRNA発現誘導が認められることが明らかになった。実際、HFD摂餌によりKK-AyマウスではLPS未投与でもIL-6 mRNA発現が著明に亢進しており、IL-6作動性に肝細胞でのLBP誘導を生じていると考えられた。これらの変化はコントロールのC57Bl/6マウスにHFDを摂餌させても生じないことから、KK-Ayマウスではメタボリックシンドロームを形成する遺伝的素因に加えてHFDで惹起される脂肪肝炎がLPS感受性増大に寄与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究ではメタボリックシンドローム関連脂肪性肝疾患におけるサイトカインストーム誘発の成因を明らかにすることを主たる目的としているが、今年度の研究では、前年度に検証したHFD摂餌KK-AyマウスにおけるLPS感受性増大のメカニズムとして、脂肪肝炎に伴うIL-6誘導およびLBP発現亢進が寄与していることが明らかになっており、比較的順調な進捗と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
KK-AyマウスにおけるHFD摂餌に伴うパターン認識受容体(PRR)発現動態およびLBP発現誘導のメカニズムについて解析を行う。また、HFD負荷により肝内発現亢進を認めたCD14およびLBP発現亢進について、単離細胞ないしセルラインを用いたin vitroでの解析を加える予定である。また、LPS投与後の肝細胞傷害については、アポトーシス以外の細胞死の関与についても引き続き検討を行う。さらに、免疫栄養アプローチによるLPS感受性低減の可能性について実験治療を試みる予定である。
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