研究課題/領域番号 |
21K07928
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 星薬科大学 (2022) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2021) |
研究代表者 |
竹島 秀幸 星薬科大学, 先端生命科学研究所, 特任准教授 (40432497)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | エピジェネティクス / DNAメチル化 / 慢性炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫応答の慢性化は、胃がん・大腸がん・肝がんなどの慢性炎症に関連したがんの発生に深く関与する。そのメカニズムとして、慢性炎症により誘発されるDNAメチル化異常の関与が知られている。これまでに、このメチル化異常誘発には、自然免疫により産生されるIL-1βやTNFαによるDNA脱メチル化酵素の発現抑制、一酸化窒素によるDNAメチル化酵素の酵素活性増強が重要であることを解明した。 本研究では、自然免疫から獲得免疫へのシフトによって、より高度なDNAメチル化異常が誘発されること、誘発されるメチル化異常は質的に異なることを証明する。また、高度で質的に異なるメチル化異常誘発に重要なサイトカインを解明する。
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研究実績の概要 |
免疫応答の慢性化は、胃がん・大腸がん・肝がんなどの慢性炎症に関連したがんの発生に深く関与する。そのメカニズムとして、慢性炎症により誘発されるエピゲノム異常(DNAメチル化異常)の関与が知られている。申請者は、このDNAメチル化異常誘発には、自然免疫により産生されるIL-1βやTNFαによるDNA脱メチル化酵素の発現抑制、一酸化窒素によるDNAメチル化酵素の酵素活性増強が重要であることを解明した。一方、自然免疫に続いて発動する獲得免疫がDNAメチル化にどのように影響するかは不明である。本研究では、鳥肌胃炎をモデルとして用いて、自然免疫から獲得免疫へのシフトによる高度で質的に異なるDNAメチル化異常誘発の機序解明を目的とする。 2年目の本年度は、鳥肌胃炎症例の前庭部においてより高度にメチル化されているCDH1、DAPK1、RASSF10、KLF4、及び、RAP1GAPなどのがん抑制遺伝子について、がん近傍領域(体部)におけるメチル化レベルを解析した。その結果、これらのがん抑制遺伝子は、鳥肌胃炎症例のがん近傍領域においても、前庭部と同様により高度にメチル化されていることが明らかになった。 また、鳥肌胃炎症例においてmRNA発現が変化しているDNAメチル化制御因子の探索をおこなった。その結果、DNA脱メチル化に関与するTET2、及び、IDH1の発現が約半分程度に低下していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
鳥肌胃炎症例の前庭部においてより高度にメチル化されているがん抑制遺伝子が、がん近傍領域においても高度にメチル化していることを明らかにしたこと、また、鳥肌胃炎症例では、DNA脱メチル化に関与する遺伝子の発現が低下していることを明らかにしたことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
高度で質的に異なるメチル化異常誘発の分子メカニズムを、i)DNAメチル化を制御する因子、ii)メチル化されるゲノム領域を規定する因子に着目して解明する。
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