研究課題/領域番号 |
21K07936
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
南 達也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60459401)
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研究分担者 |
工藤 洋太郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90608358)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 肝星細胞活性化 / 代謝産物 / p62/Sequestosome1 / 肝線維化 / 肝脂肪化 / 肝星細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
肝がんの病態形成における肝星細胞の意義が近年注目されている。活性化型肝星細胞は肝腫瘍の発生や進展の増悪因子として知られている。ヒト肝組織において活性化型肝星細胞でp62/Sequestosome分子の発現量は低下していること、また肝星細胞でp62の発現量低下が星細胞の活性化を引き起こすことが知られている。今回申請者らはがん細胞由来で肝星細胞のp62発現量を低下させる液性因子の検討をおこなう。前検討において非タンパク物質が重要であるとの知見が得られたため、代謝産物の小分子に着目し、肝星細胞においてp62の発現量を制御する分子学的機序、とくにp62遺伝子の転写制御機構を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、肝細胞がんの進行に大きく関与する肝星細胞の活性化機構について解明しました。特に、肝星細胞の活性化を抑制する役割を持つp62というタンパク質の働きに注目しました。実験では、がん細胞由来の特定の代謝物がp62の発現を減少させることを発見し、これが肝線維化および肝がんの進行を促進することを示しました。これらの知見は、肝がんの治療や予防に向けた新しいアプローチを提供する可能性があります。今後の研究で、代謝物がどのようにしてp62の発現を抑制するのかその詳細な分子機序を解明することが期待されています。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、肝がん進行に寄与する肝星細胞の活性化に関わる分子メカニズムを解明しました。がん細胞が放出する特定の物質が、肝星細胞を活性化させ、肝線維化とがんの進行を促進することを発見しました。この知見は、肝疾患の予防や治療法の開発に向けた新たな方向性を示しており、将来の肝がん治療の改善に貢献する可能性があります。学術的には、疾患の根本的なメカニズムの理解を深め、社会的には治療オプションの拡大を促す成果です。
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