研究課題/領域番号 |
21K07945
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
新沼 猛 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60708113)
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研究分担者 |
鈴木 拓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20381254)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | long noncoding RNA / 消化器がん / IFNシグナリング / IFNシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
我々は新規口腔がん関連lncRNAとしてDLEU1を同定し、がん促進的に機能することを報告した。その後の解析から我々は、DLEU1がヒストン修飾やインターフェロン(IFN)シグナルに関わること、そして多くの消化器がんにおいて高発現することを見いだした。 本研究においては、消化器がんにおけるDLEU1高発現の機能的・臨床的意義を明らかにし、新たな治療法の開発につなげることを目的とする。そのために、消化器がん細胞におけるDLEU1の機能および相互作用分子を解析し、DLEU1によるIFNシグナル活性化のメカニズムと腫瘍免疫に及ぼす影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
消化器癌におけるDLEU1の機能解析を行うために大腸癌細胞株を用いてDLEU1をノックダウンし細胞増殖に与える影響についてcell viability assayを行った。大腸癌についてはいずれの細胞株においてもDLEU1のノックダウンは細胞増殖を抑制した。DLEU1のノックダウンがIFNシグナルに与える影響を調べるためにDLD1、SW480においてIFITM1、IFITM3の発現をRT-qPCRにて解析したところ、口腔扁平上皮癌と異なり、これらのISGsは発現が不変~上昇傾向であった。ISGsに与える影響についてもRT-qPCRにより解析したが、一定の傾向を示さなかった。口腔がん細胞株の遺伝子発現マイクロアレイ解析からDLEU1のノックダウンはIL1の発現を減少させる結果が得られており、qRT-PCRによる解析においても同様の結果が得られた。レンチウイルスを用いたDLEU1の過剰発現系においてはIL1の発現上昇が認められた。アクチノマイシン添加による解析の結果、DLEU1の過剰発現によりIL1のmRNA安定性が亢進する事が確かめられた。反対に、DLEU1のノックダウンではIL1のmRNAの安定性が低下しており、DLEU1はIL1の安定性に関与することでその発現上昇に寄与する事が推察された。レポーターアッセイによるNFKBシグナル経路の活性について解析した結果、DLEU1の過剰発現によりNFKBシグナルの亢進が認められた。ウエスタンブロットでもDLEU1過剰発現によるリン酸化p65の亢進が確認され、DLEU1がNFKBシグナル経路の活性化を介してIL1の発現上昇させることが推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大腸癌においてはDLEU1のノックダウンにより口腔扁平上皮癌での解析と同様に、細胞増殖が抑制される結果であったが、IFNシグナルに与える影響は少ないと考 えられた。食道癌においてはDLEU1のノックダウンが細胞増殖に与える影響については口腔扁平上皮癌と異なると考えられ、IFNシグナルに与える影響においても 異なっていた。口腔がん細胞の解析からはDLEU1はNFKBシグナル経路の活性化とmRNAの安定性に寄与する事で、IL1の発現を上昇させる事が示唆された。以上からDLEU1はIL1の発現上昇を介しISGsの発現を制御する事が示唆されたため、今後更なる解析を行う事とする。
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今後の研究の推進方策 |
DLEU1のNFKBシグナル、IL1を介したISGsの制御機構について更なる解析を行う。STATのリン酸化についてウェスタンブロットによる解析、またはレポーターアッセイによる解析を行う。IL1B添加によるISGsの誘導がIL1受容体のノックダウンにより抑制されるかをqRT-PCRを用いた発現解析を行い検証する。またIL1添加による遺伝子発現変動についてRNA sequencingを行い解析する。また、他の消化器がん細胞株を用いた機能解析、IFNシグナルに与える影響についても解析を継続する。その際にはIL1による制御機構が存在する可能性についても解析を行う。
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