研究課題/領域番号 |
21K07955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
角田 洋一 東北大学, 医学系研究科, 講師 (50509205)
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研究分担者 |
木内 喜孝 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (20250780)
黒羽 正剛 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70709469)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / モザイク変異 / 染色体異常 / 染色体変異モザイク / クローン病 / 潰瘍性大腸炎 / 全ゲノムシーケンス解析 / 染色体異常モザイク / チオプリン製剤 / 体細胞モザイク変異 |
研究開始時の研究の概要 |
クローン病の発症は遺伝的素因に加えて何らかの後天的な環境要因が必要となる。後天的な要因として、体細胞モザイク変異がその一つである可能性を考えた。本研究では、モザイクがクローン病の発症原因となるのか、あるいは発症後に病態形成の過程で発生するかを、モザイクの遺伝子変異の解析疾患表現型との関連、染色体不安定性の解析等から推定し、クローン病の新たな発症メカニズムとしての可能性、病態への影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
日本人炎症性腸疾患患者3339名の血液中のモザイク染色体異常(mCA)をゲノム解析し、その頻度や遺伝的背景、臨床的特徴を検討した。その結果、クローン病は潰瘍性大腸炎に比べてmCAの発生率が高く、特に染色体3番と6番の異常が顕著であった。mCAは年齢や臨床因子とは独立してCDのリスク因子であり、若年期のチオプリン使用がリスクを増加させることが示された。具体的には、粘膜免疫応答に関連する遺伝子が富化しており、「細菌に対する防御応答」や「粘膜の自然免疫応答」、「抗菌ペプチドによる抗菌体液性免疫応答」に関連していた。ただし、mCAの発生と関連する因子が原因なのか結果なのかは今後の検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究の学術的意義として、クローン病(CD)患者におけるモザイク染色体異常(mCA)の高発生率と特定の染色体異常を世界で初めて明らかにしたことである。また、mCAがCDの独立したリスク因子であり、若年期のチオプリン使用がリスクを増加させることを示した。これにより、粘膜免疫応答に関連する遺伝子の関与が示唆され、CDの病態解明に貢献する。 また、社会的にはCD患者の治療方針に影響を与える。特に、若年患者へのチオプリン使用のリスク評価が重要であり、適切な治療戦略の立案に寄与する。さらに、CD患者に対する早期の診断と治療法の改善に繋がり、患者の生活の質向上が期待される。
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