研究課題/領域番号 |
21K07961
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
石原 俊治 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (80263531)
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研究分担者 |
三島 義之 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30397864)
岡 明彦 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (80600600)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腸管粘膜透過性 / クローン病 / 制御性B細胞 / 制御性T細胞 / IL-10 / アデノシン三リン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで私共は、クローン病(CD)では、制御性B細胞(Breg)の機能が減弱していること、dysbiosis環境下では組織の細胞外アデノシン三リン酸(ATP)がBregの機能を低下させることを明らかにした。一方、腸管粘膜透過性は多彩なメカニズムによって担われているが、Bregによる透過性制御に関する報告はない。私共は、「CDでは、Bregの異常が腸管粘膜透過性の制御機能を低下させ、腸管炎症増悪に関与する」という仮説を検証する。本研究の成果は、CDの病態と“leaky gut syndrome”の病態解明につながる可能性があり、これまでと異なる視点からの診断法や治療法の開発に貢献できると考える。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、「クローン病においては制御性B細胞(Breg)の異常が腸管粘膜透過性の制御機能を低下させ腸管炎症増悪に関与する」という仮説を検証した。C57BL/6マウスの脾臓からTあるいはB細胞を分離し、Rag2-KOマウスに投与し、腸管粘膜透過性を評価した。本検討では、T細胞に比べてB細胞の移入時に腸管粘膜透過性が低下していた。Trans-wellを用いて大腸上皮(Caco-2細胞)とT細胞あるいはB細胞を共培養するモデルを作成した場合、T細胞よりもB細胞と共培養した際に上皮の透過性が低下することが確認され、本結果はin vivoのマウス移入モデルの結果を反映していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者らはこれまでの研究において「クローン病(CD)における制御性B細胞(Breg)の機能異常を介した炎症増悪メカニズム」を明らかにしていた。さらに今回の申請課題における「腸管の粘膜透過性制御メカニズムを生体の免疫細胞の機能から解明する」という点は、過去に全く報告のない着眼点であった。これらの新規性の高い二つの視点を組み合わせた本研究は、極めて学術的独自性と創造性に富んだ研究内容であることは言うまでもなく、本研究で検証した「Bregによる粘膜透過性制御メカニズム」は、CDのみならず他の“leaky gut”に関わる疾患に対しても、これまでと異なる視点からの病態解明につながると思われる。
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